RIZIN、今年初の地上波Gタイム中継決定も日曜夜“激戦区”枠…榊原CEOに聞くその勝算

格闘技の歴史はさいたまスーパーアリーナとともにある

 その理由は、榊原CEO曰く「RIZINはもちろんその前のDREAM、戦極、PRIDE……、日本の格闘技の歴史はさいたまスーパーアリーナとともにあります」と説明。

 つまりさまざまな衝撃の場面を現出させ、お茶の間を仰天させた「場」の力を格闘技界は今こそ活用すべきと踏んだことになる。

 榊原CEOはその後、「快適すぎて動けなくなる魔法のソファー」のyogibo(ヨギボー)が冠スポンサーについたこと、チケットの券売スケジュール、前回のRIZIN.22&23(8月9、10日、ぴあアリーナ)同様の感染予防対策を実施すること。陽性感染者が出た際の追跡調査のため、来場者に事前に指定されたアプリへの登録をする旨を呼びかけた。

 この後、ようやく対戦する天心、皇治の両者が登壇。お互いの思いを打ち明ける。

 まず、皇治は「この暗い世の中を少しでも明るくしたいですし、いろんなことに押し潰されそうな人が今の時期多いと思うので、自分の挑戦で少しでも力を与えられたらいいなと。必至こいて、全てを賭けて闘います」と宣言。

 一方、天心はこの試合の後、11月にも試合を控えているが、「しっかり勝って格の違いを見せて、格闘技の根本というか原点というのをハッキリさせる試合にしようと思います」とあいさつした。

 記者から「このタイミングで対戦が決まるのことは想像していたか?」と質問されると、皇治は「大みそかでも良かったし、いつでも良かった。俺以外が天ちゃん(天心)とやって盛り上がるカードは、1つ(武尊戦)を除いて他にない。いろんなものを失ってここに来たので、あとはもう奪うだけ。時期はいつでも良かった」と回答。

 対する天心は「皇治選手がRIZINに来て1発目の試合なので、みんなが(皇治に)幻想を抱いていると思う。この時期が一番、勝負論があるんじゃないかと思って受けた」と返答する。

 面白かったのは、皇治が榊原CEOに「(フロイド・)メイウェザーと同じで蹴ったら1億円で良いですか?」と訊ねると、榊原CEOは「メイウェザーは蹴ったら5億円だった」と説明した場面。

 すると、皇治は「それはさすがに張り合えない。なので(蹴ったら)1億円で」と天心に話を振ると、それを聞いた天心が「お互いということ?」と返し、天心と皇治が独自にやりとりしたのである。この場面からは両者がひと月後に殴り合いをする姿は想像しにくいが、この後、さらに追い討ちをかけるような場面が展開される。

 記者からの質問が終わると、皇治は再びマイクを持ち、天心に対し、「お土産を持ってきた」とひと言。

 その後、「ボタンを押すと那須川の父につながる」というおもちゃと「インターバル中に使用するように」と哺乳瓶を渡したのだ。よく見ると皇治のサイン入りだった。

 すると天心は「あざっす! あざっす!」と口にしながら、その手土産を受け取る場面もあった。

次のページへ (4/5) 思ったより大人しい印象を受けた天心、皇治
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