「僕が輝くことが、彼が喜ぶこと」―江幡塁、三浦春馬さんに捧げる勝利の裏にあった思い

格闘技プロモーション「RIZIN」の大会「RIZIN.22」が9日、横浜・ぴあアリーナMMで開催された。ほぼ半年ぶりとなった大会の2daysの初日、全9試合。出場したファイターはそれぞれのテーマを胸にリングに上がっていた。十分すぎるほど認識できる熱戦が繰り広げられた。

江幡塁と植山征紀の試合は両者打ち合いの流血戦に【写真:(C)RIZIN FF】
江幡塁と植山征紀の試合は両者打ち合いの流血戦に【写真:(C)RIZIN FF】

「RIZIN.22」初日に思う、ファイターたちの“個人の物語”

 格闘技プロモーション「RIZIN」の大会「RIZIN.22」が9日、横浜・ぴあアリーナMMで開催された。ほぼ半年ぶりとなった大会の2daysの初日、全9試合。出場したファイターはそれぞれのテーマを胸にリングに上がっていた。十分すぎるほど認識できる熱戦が繰り広げられた。

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「まず、またこうやってみなさんの前で試合ができることをうれしく思っています」

 横浜に新設されたばかりのぴあアリーナMMで開催されたRIZIN.22。この日、第7試合に出場し、古瀬美月を強烈なパウンドによってKO勝利した浅倉カンナがリング上からマイクを通してそう思いを告げた。

 冒頭の浅倉がバックマウントから放った、容赦のないパウンド攻撃。本人いわく、「初めてのパウンドでのKO」を呼び込んだ強烈な連打は、リング上が生半可な世界ではないことを再認識させる。

 いわゆるキラー(殺人者)な側面を現出させるのだ。そこにあるのは非情さのみ。実を言うと、これがリングを見る上での醍醐味の一つであることは間違いない。一見すると残酷なようだが、実はこれ以上、リングの持つ恐ろしさを伝える場面は存在しない。そして、心技体及び「狂気」が備わってこそ、その境地にたどり着けるに違いない。

「(古瀬戦は)強さを見せないといけない試合。試合中はまったく(プレッシャーは)なかったです。倒してやるっていう気持ちでいたので。1Rで倒さなきゃいけないとずっと思っていました。(キラーな部分が)見られましたかね?」 

 少し前にその非情さをリング上で爆発させた女子格闘技の若き22歳のエースが笑顔を見せる。

 大会前、本サイトで浅倉インタビューを実施した。浅倉の「1R中に1本で」との思いは知っていたが、浅倉は見事なまでに公約を果たしてみせた。手放しで喜ぶべき話である。

 なにせ敗れた古瀬は完全に戦意喪失。試合後には「大舞台に飲まれちゃったのかなと。終わったあとも訳わからなくなっちゃったり。今日の試合終わったら試合をしばらく離れるつもりでした。いつになるか分からないですけど、長くお休みさせていただきたいです」と1年はリングを離れたいとの意向を示すほどだった。

 まさに弱肉強食。それでいい。リング上はそうでなくてはいけない。

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