マスク氏の衝撃人事に日本のテスラオーナー白熱 「鶴の一声」規制改革に期待感、トランプ氏との相性は?

共和党のドナルド・トランプ氏が次期大統領に選出された米大統領選で、大きな話題をさらった人物がいる。米電気自動車(EV)大手テスラなどを率いる実業家のイーロン・マスク氏だ。選挙戦を通じて、トランプ氏側に多額献金を行うなど緊密な関係に。勝利を収めたトランプ次期大統領から、政府業務や予算の効率化を担う新組織「政府効率化省」のトップに抜てきされたのだ。衝撃人事に、テスラオーナーも驚がく。個性の強いトランプ氏と良好な人間関係を築けるかもポイントになる中で、“マスク信者”はどう思っているのか。ぶっちゃけの本音を聞いた。

次期トランプ政権入りでさらなる注目が集まるイーロン・マスク氏(右)【写真:Getty Images】
次期トランプ政権入りでさらなる注目が集まるイーロン・マスク氏(右)【写真:Getty Images】

無人自動運転タクシーにも“規制の壁” トランプ氏との人間関係にも注目

 共和党のドナルド・トランプ氏が次期大統領に選出された米大統領選で、大きな話題をさらった人物がいる。米電気自動車(EV)大手テスラなどを率いる実業家のイーロン・マスク氏だ。選挙戦を通じて、トランプ氏側に多額献金を行うなど緊密な関係に。勝利を収めたトランプ次期大統領から、政府業務や予算の効率化を担う新組織「政府効率化省」のトップに抜てきされたのだ。衝撃人事に、テスラオーナーも驚がく。個性の強いトランプ氏と良好な人間関係を築けるかもポイントになる中で、“マスク信者”はどう思っているのか。ぶっちゃけの本音を聞いた。

「めちゃめちゃワクワクしていますよ。どんな破壊的イノベーションをやってのけるのか、期待しかないです」

 こう興奮気味に話すのは、テスラオーナーのHAMMERさんだ。

 もともとは日産シルビア、ワンビアなどを乗り回す“走り屋”だったが、EVの登場に心を撃ち抜かれ、先端技術の進化に傾倒。テスラはモデルXを皮切りに、現在ではモデルY、モデル3の3台を保有。テスラ専用カスタムパーツブランド事業などをグローバルに進める「STUDIO ALON」の代表を務めている。

 マスク氏は「世界一の大富豪」として、その言動は世界の注目を浴び続けている。最新鋭の自動運転技術を誇るテスラ、再利用可能なロケット開発で席巻している米宇宙企業「スペースX」の経営を力強く牽引(けんいん)。SNSのツイッター(現X)を買収し、世界的な言論空間の運営まで抱えている。

 巨大な米国政府の改革断行には、多くの労力と時間を費やすことが予想される。多忙を極めるマスク氏は対応できるのか。「政府の仕事まで本当に回るのかなあとも思いますが、イーロンなら回せると思いますよ」と期待感を示す。

 それに、HAMMERさんは、マスク氏の類まれな実行力と突破力による「規制緩和」への期待を大きく寄せている。「テスラ社は先日、無人自動運転タクシー『サイバーキャブ』を発表したのですが、許可や承認を巡り、法的に実現するのかという課題があると聞いています。イーロンの政権入りによって加速するかもしれません。“鶴の一声”もあり得るのではないでしょうか」。規制改革のスピード化について予測する。また、高度運転支援システム「フルセルフドライビング」について、「日本では先が見えない部分が多いですが、イーロンがうまく話を進めてくれるかもしれないです」と、自動運転を巡る日本への影響についても見解を示す。

マスク氏の夢に思い重ねて…「生きているうちに、人類が火星に到達する瞬間を見届けたい」

“トランプーマスク”の強烈タッグの誕生を受け、ネット上では「イケイケだな本当に」「トランプさんのプロデュース力はさすが」「イーロン・マスクやトランプ大統領のように国内の腐った体質をことごとく洗い出してくれる正義感を持ったリーダーがたくさん日本にも生まれますように」と、歓迎と熱狂の声が続々寄せられている。

 賛否を含めた大反響となっており、「トランプとマスクは1年位内に割れる。賭けても良いよ」「トランプとマスクの蜜月、個人的には早い段階で冷え込むんじゃないかなと思ってる」など、2人の間柄について懸念の声も少なからずある。

 トランプ次期大統領は、マスク氏に政府機関の再編を期待しているようだが、キャラクターの濃い2人だけに、相性が気になるところだ。

 HAMMERさんは「人間関係がどうなるかは分からないところはありますが、応援演説などの様子を見る限り、いい関係が続くと思います。それに2人は似ているところがあると思っています。トランプ氏は敵も多いかと思いますが、今回の選挙で民意を得たことは事実です。イーロンは創造的という意味で破壊的なことを繰り返してきましたが、経営者として素晴らしい実績を重ねてきています。なんだかんだで、やるべきことを必ずやり遂げる。2人からは同じ“におい”がしますね」と強調する。

 そのうえで、「スペースXの今後に注目していることがあって、自分が生きているうちに、人類が火星に到達する瞬間を見届けたいです。それにイーロンは、例えば衛星通信と自動運転といった組み合わせで、何か考えているのではないかと。僕らが想像しないことをクリエートするのがイーロンですから」。熱い思いを語り尽くす。“政治家”として活動を始めるマスク氏によって、大国・米国の運命が変わっていくかもしれない。

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