スペイン最高齢の113歳女性が新型コロナから“奇跡”の生還も…高齢者への対応に憤り

スペイン最高齢となる113歳の女性、マリア・ブラニャスさんが新型コロナウイルスに感染後、無事完治したと世界中でニュースとなった。高齢者の死亡率が高いとされるパンデミックに際し、「高齢者は人生をかけて戦ってきた。こんな形でこの世を去るに相応しくない」と奇跡の女性は訴えている。英地元紙「ガーディアン」が報じている。

5月中旬のスペイン・セビリアの街角の様子【写真:Getty Images】
5月中旬のスペイン・セビリアの街角の様子【写真:Getty Images】

スペインでは1万7500人の高齢者が死亡している

 スペイン最高齢となる113歳の女性、マリア・ブラニャスさんが新型コロナウイルスに感染後、無事完治したと世界中でニュースとなった。高齢者の死亡率が高いとされるパンデミックに際し、「高齢者は人生をかけて戦ってきた。こんな形でこの世を去るに相応しくない」と奇跡の女性は訴えている。英地元紙「ガーディアン」が報じている。

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 新型コロナの感染拡大で2万7500人が犠牲となったスペインで奇跡が起きた。バルセロナ近況ウロットのケアホームで新型コロナのクラスターが発生した。入居者133人のうち、17人が死亡するという状況で、ブラニャスさんも感染。1918年のスペイン風邪と2つの世界大戦を乗り越えた113歳は数日間症状に苦しんだが、無事回復。同国最年長の奇跡は、世界に朗報をもたらした。

「このパンデミックは我々の社会で忘れ去られた存在であることを明らかにした。彼ら(高齢者)は人生をかけて戦ってきた。時間と人生の豊かさを犠牲にしてきた。こんな形でこの世を去るに相応しくない」

 奇跡の女性はこう語ったという。高齢者の死亡率の高さが取り沙汰されるコロナ禍。イタリア、アイルランド、フランス、ベルギーではコロナ禍の死者の半数が老人ホーム在住の高齢者という中、スペインではケアハウス5000軒を直撃し、1万7500人の高齢者が死亡したと報じられている。

 同国のケアハウスではパンデミック以前から施設の問題やスタッフの人手不足で、トイレや飲料水を受け取るためにも、数時間待たなければいけない状況を抱えていたという。そして、今回のパンデミックでは感染拡大のあまりに、病院が治療や受け入れを拒否するケースもあったと報じている。

 スペイン最高齢の113歳は、この現状に憤りを隠そうとしない。

「ケアホームで生活する高齢者が社会から消えてしまったかのよう。政府は注意を払い、ケアホームへの助成と人材の供給をすべき。何よりも、高齢者はよりヘルスケアの供給を必要としている」

 多くの高齢者が犠牲となっている新型コロナウイルスの感染拡大。長年社会に貢献してきた高齢者を代表するブラニャスさんの魂の叫びを海外メディアも注目している。 

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