バクコメ・半澤弘貴、やりたいこと=仕事への葛藤を歌詞に「やっぱりきついんです」

地元宮城県で住みます芸人として活動するお笑いコンビ「バクコメ」の半澤弘貴が1日、歌手デビュー、新曲「いいねいいね」をリリースした。同期に「ハリセンボン」「しずる」を持つ半澤に歌手デビューにいたるまでの思いや“売れない芸人”だった過去の葛藤について話を聞いた。

同期は「ハリセンボン」、バクコメ・半澤弘貴がついに歌手デビュー
同期は「ハリセンボン」、バクコメ・半澤弘貴がついに歌手デビュー

「MONKEY MAJIK」DICKと異色コラボの楽曲をリリース

 地元宮城県で住みます芸人として活動するお笑いコンビ「バクコメ」の半澤弘貴が1日、歌手デビュー、新曲「いいねいいね」をリリースした。同期に「ハリセンボン」「しずる」を持つ半澤に歌手デビューにいたるまでの思いや“売れない芸人”だった過去の葛藤について話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

 畑での弾き語りに集まったのはたったひとり。今は負けているけれど、いつかまくってやるぞ――。どんでん返しが始まった。

「いいねいいね」は宮城県のラジオ番組の企画で半澤が作詞・作曲した曲だ。音源を聞いた4人組ロックバンド「MONKEY MAJIK」のベース担当・DICKが編曲、“異色”コラボという形で今回のリリースとなった。「泣き言を言いたい」「人生の価値観は人それぞれ」などの歌詞は半澤の経験をもとにつづられた。

 芸歴は18年以上、ストレートな思いを歌詞に込めた。「自分が経験してきたことを歌詞にしたいなって思って、想像で書くのは嫌だった。芸人を始めて20年近くにはなるんですけれど、結果という結果は出てはいないし、知らない人の方が多いと思う」と口にする。

 一時は辞める覚悟もしていた。「やりたいことをやれているのはすごくいいことだと思うんですけれど、やっぱりきついんですよね。芸人をやめて警察官になろうと思っていた時期があったんです。2011年の元日に友人に相談したんです。やめようと相談したらめちゃくちゃ反対されました。『やりたいことをやれているというのは、それを見つけられている時点ですごくいいし、仕事にできていることがすごい』と言われて、踏みとどまりました」と回顧した。

 3月11日。東日本大震災が転機だった。「震災がきて、周りは崩れていないのに自分の実家だけが崩れてしまって……。芸人としてご飯を食べていくのは難しいかもしれないけれど、やりたいことをできずに亡くなった方もいるだろうなって。そこが転機です」と力を込めた。

次のページへ (2/3) 「被災地を盛り上げようとかではなく、芸人として力をつけたい」
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