【ズバリ!近況】月9ドラマ主題歌「You’re the Only…」歌った小野正利が明かす大ヒットの裏話と今のお仕事

印象的だったソバージュヘアは事務所の意向だったという小野正利さん【写真:荒川祐史】
印象的だったソバージュヘアは事務所の意向だったという小野正利さん【写真:荒川祐史】

売れても「ドラマの主題歌だから」「困ったな」と自虐的

 僕は歌が好きで、ずっと歌だけでやってこられてラッキー。努力したという感覚はありません。声はもともと高くて、歌好きで目立つのが好きな性格は父方の血筋ですかね。たとえば、僕の13歳年上のいとこは、1974年にヤマハのポピュラーソングコンテストで受賞して「田吾作」というグループでデビューしていますし、叔父は「NHKのど自慢」に出場して鐘を鳴らしています。僕自身は中学2年の冬、音楽の授業の発表会で「愛はかげろう」をギターの弾き語りで歌ってウケて、そのいい気持ちのまま今に至ります(笑)。

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 デビュー数か月前までは、アマチュアのヘビメタルバンドで歌っていました。アルバイト先の飲み屋でスカウトされソロデビューして、そうしたら3か月でヒット。うれしい反面、「小野正利だからじゃなくてドラマの主題歌だから売れたんだろう」と。何年かかけてライブで地を固めてから売れるのが本当だろう、オレはこれからどう歌っていけばいいのか定まってないのに困ったな、と思っていました。ただ、会う人、会う人が、それまでテレビでしか見たことがなかった人たちだったので、楽しい経験ではありました。

「You're the Only…」は作詞も担当したが印税は…

 当時の髪型は事務所のスタッフの意向。当時、ヘビメタをやってる人は、みんな髪を伸ばしていたので僕も長かったんですけど、デビュー直前に突然、事務所の人に「ちょっと一緒に来い」と原宿の美容院へ連れて行かれ、気付いたらあの髪型になっていました。先輩歌手にあたる林田健司さんを意識してソバージュヘアにしたい、と思ったらしくて。「あぁ、そうなんだ」と抵抗せずに受け入れました。バンダナは僕がアマチュアバンドで汗止めに使っていたもの。今思うと、なんかヘンですよね(笑)。

 でも、30年やってきて「You’re the Only…」という代表曲があるのはうれしいことです。詞も僕が書いたんですよ。我ながら幼い詞だなあ、と思います。なんで曲のサビの最後に「愛しているのさ~」って載せちゃったんですかねぇ(笑)。結局、ベタでわかりやすいのがいいんでしょうね。「You’re the Only…」はミリオンセラーになったので「印税もすごかったんでしょう?」ってよく聞かれるんですけど、当時、事務所から渡されたのは数百万円。本当なら数千万円あったのに。それもあって、当時の事務所とは袂を分かつことになりました。事務所のおかげでデビューできたとはいえ、まあ、じゅうぶんに恩は返したと思っています。

□小野正利(おの・まさとし)1967年1月29日、東京都足立区生まれ、埼玉県春日部市育ち。中学からバンド活動を始め専修大学法学部進学も中退し、92年、シングル「ピュアになれ」(ソニーレコード)でソロデビュー。同年「You’re the Only…」がドラマ「君のためにできること」(フジテレビ系)の主題歌になりミリオンヒット。同年の日本レコード大賞最優秀新人賞受賞、NHK紅白歌合戦出場。2009年、ソロ活動と並行しヘビメタルバンド「GALNERYUS(ガルネリウス)」のボーカリストに。21年5月21日、「小野正利デビュー日記念配信ライブ vol.2『インターセクション ONLINE@ニコニコ生放送』」開催。

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