名バイプレーヤーの悩み…木下ほうか「『嫌味』というレッテルをはがしたい」

テレビや映画で欠かすことのできない唯一無二の存在、木下ほうか(57)。そんな名バイプレーヤーが主演したのが映画「裸の天使 赤い部屋」(4月2日公開、窪田将治監督)だ。不動産会社社長が不思議な魅力を持つ少女との秘密の逢引にハマっていく姿を描くエロティック・サスペンス。名バイプレーヤーがこの主演映画に自信を持てたワケ、本当にやりたい役を明かしてくれた。

インタビューに応じた木下ほうか【写真:荒川祐史】
インタビューに応じた木下ほうか【写真:荒川祐史】

映画「裸の天使 赤い部屋」で社長役、相手役は中山来未「彼女の存在が大きかった」

 テレビや映画で欠かすことのできない唯一無二の存在、木下ほうか(57)。そんな名バイプレーヤーが主演したのが映画「裸の天使 赤い部屋」(4月2日公開、窪田将治監督)だ。不動産会社社長が不思議な魅力を持つ少女との秘密の逢引にハマっていく姿を描くエロティック・サスペンス。名バイプレーヤーがこの主演映画に自信を持てたワケ、本当にやりたい役を明かしてくれた。

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 本作は文豪・江戸川乱歩の短編小説を映画化する「赤い部屋」シリーズの第2弾。木下が演じるのは、妻子持ち、社会的な地位も築いた不動産会社社長。多忙な日常のストレスを解放するため、週に1度、“さえない男”に変装するという二重生活を送っていたが、ある時、かつての実家に入り込んでいた謎めいた少女、文子と出会い、その愛欲生活に溺れていく…というストーリーだ。

「普段、自分がやっている嫌味な役じゃなかったし、監督とは何本もやっているので、『ぜひとも』といって、スケジュールを渡しましたね」。相手役は2015 年、東海テレビ、ソニー・ミュージックエンタテインメント、吉本興業によるオーディション番組「ザ・ラストヒロイン~ワルキューレの審判~」で15万人の中からラストヒロインに選ばれた若手女優・中山来未。しかし、初対面の印象は「すこぶる悪かった」と明かす。

「主役の権限として、本来なら、オーディションに立ち会わせてもらいたかった。本読みで初めて顔合わせをしたんですが、本読みもダメ、立ちげいこもダメ。監督には『この人はヤバいから、補欠の人を用意してください』と言ったくらいだったんです。でも、実際に現場に入って、出来上がった作品と見たら、最初の印象とまったく逆。どうやら、僕のことを恐れていたみたい。私の普段の役におけるイメージは嫌味、気持ち悪い人だったから」

 普段とは違う、主役という立ち位置はどうか。「うれしいこともあるけど、その逆もあるんです。テレビの連続ドラマの場合、成績が悪かったら、主役の人は『悪かったらお前のせい』と言われてしまうこと。しかも、それを役者がずっと背負っていくじゃないですか。いいことがあるとしたら、一番多くお金をもらえたり、チヤホヤされることかな。でも、上に行ったら、下がるしかないわけで、むしろ怖い。映画でも、劇場にお客さんが入っていないこともあるわけで……」とバラエティーでも見せるネガティブ発言も。

 自身を「厄介な役者」だとも言う。「気になることがあると、現場を止めてしまうんですね。つじつまが合っていなかったり、感情がつながっていなかったりすると、監督に意見を言ったりするんです」。もちろん、それは一重に作品を良くしたいという思いからだ。「今回は特にありましたね。この表現はわかりにくいとか、逆に、この場面は説明しすぎだということもありました。監督がOKでも、できれば撮り直したいって。今の撮影は昔よりスピードが上がっていて、1日に何十カットも撮ると、表現が間に合わない。撮り直しでうまくいったこともあるけど、逆の場合もある。常に100点はない仕事ですね」

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