「救急隊員だって人間」コンビニ立ち寄っただけで“通報” 夏の水分補給ピンチ、現役救命士が訴え
近年、夏の時期は猛烈な暑さとなる日が増え、各地で高温や熱中症リスクへの警戒が呼びかけられている。熱中症を防ぐうえで、こまめな水分補給は欠かせない。そうした中、救急現場や救急車内で傷病者の救護にあたる救急隊員を悩ませるのが、水分を取ることに対しての理不尽な“監視の目”だ。消防官として20年以上のキャリアを持ち、SNSで啓発・情報発信にも取り組む救急救命士が実情について語った。

「水ぐらい飲ませて」救急隊員への厳しい“監視の目”とは
近年、夏の時期は猛烈な暑さとなる日が増え、各地で高温や熱中症リスクへの警戒が呼びかけられている。熱中症を防ぐうえで、こまめな水分補給は欠かせない。そうした中、救急現場や救急車内で傷病者の救護にあたる救急隊員を悩ませるのが、水分を取ることに対しての理不尽な“監視の目”だ。消防官として20年以上のキャリアを持ち、SNSで啓発・情報発信にも取り組む救急救命士が実情について語った。
「暑くなってくると各消防本部からこんなことがポストされます。
『救急隊員の水分補給にご理解を!病院内やコンビニで水分を購入することがありますがご理解をお願いします!』
なんで水分摂るのに他人の理解が要るのか理解できません。連続出動すれば用意した飲み物も無くなる。水ぐらい飲ませて」
5月下旬、こう投稿したのは、たたら★救急救命士(@QQpickm)さんだ。夏場は救急出動の件数が非常に多くなるため、消防署に戻って水分や食事を取ることが難しくなることも珍しくないという。そこで、やむを得ず病院内や近隣のコンビニエンスストアなどを利用するが、その姿を見た人からクレームが寄せられてしまう。
「内容としては『コンビニで救急隊が買い物をしている。出動があったらどうするのか?』『救急車がコンビニの駐車場に停まっている。いいのか?』といったものです。数としては少数ですが、毎年来るクレームです」
服務規律を破っているわけではない。やましいことはないのに疑いをかけられるのは、決して気持ちのいいことではないだろう。“救急隊警察”は各地で目を光らせており、わざわざ各消防本部がアナウンスしなければならないほど、その言動は過熱している。
もちろん、こうした呼びかけの背景には、救急隊員のコンビニ利用や水分補給を消防本部として認めていることを周知する目的、そして救急隊員が買い物をしている様子を見た市民からの苦情を事前に防ぐ意味合いがある。
救急隊員は、気温がどれほど高かったとしても、感染防止のため長袖の感染防止衣という服を着て活動することが義務付けられている。
「服は通気性もあまり良くなく、出動のたびに汗だくになっています。しかし、救急要請は待ってくれません。昼食や夕食を何時間もたってから食べることもあります。ですが救急隊員が倒れるわけにはいかないので、常に水分を手元に置いてこまめに飲むよう心がけています。また車内には塩あめ等も置いて、感染防止衣の下に保冷剤入りのベストを着用するなどして活動しています」
投稿には「水分補給は権利ではなく当然の義務」「なんぼでも飲んでください!!!!」「むしろドリンクを支給してあげて」「レジ優先権くらい与えられても良さそう」「救急隊員だって人間なのに…」などの反応が続々と寄せられた。水分補給に理解を求めなければならない現状そのものに対する疑問の声も多い。
酷暑予想の夏…“戻れない救急車”を防ぐためにできること
投稿者は「これから本格的な酷暑シーズンを迎えるにあたり、救急隊員の水分補給や食事の実情について多くの人に知ってほしいとの思いで投稿をしました」と説明。
反響を受け、「多くの方に読んでいただき、また救急隊に協力的なご意見がほとんどで、とてもありがたいと感じています。近年日本の夏は慢性的な災害になったと言っても過言ではありません。この夏も酷暑が予想されますが、住民の皆様にも水分補給をこまめにしていただき、熱中症予防に取り組んでもらえると救急隊としても助かります」と話している。
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