「2人は正当な評価を受けて欲しい」―行定勲監督が山崎賢人と松岡茉優を高評価するワケ
俳優の山崎賢人、女優の松岡茉優主演の「劇場」はAmazon Prime Videoと同時に全国20館のミニシアターでも公開される。それには、コロナ禍で苦境に立たされているミニシアターの力になりたい、という行定勲監督の思いがあった。また、「劇場」がいかにして生まれたのか、を語る。
インタビュー後編…山崎賢人、松岡茉優主演映画が17日公開
俳優の山崎賢人、女優の松岡茉優主演の「劇場」はAmazon Prime Videoと同時に全国20館のミニシアターでも公開される。それには、コロナ禍で苦境に立たされているミニシアターの力になりたい、という行定勲監督の思いがあった。また、「劇場」がいかにして生まれたのか、を語る。
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――Amazon Prime Video配信と同時に全国20館のミニシアターで公開されますが、これは監督のこだわりですね。
「表現者としては、映画館で上映することだけは譲れなかった。だったら、映画館での公開と配信を両建てするということもあるなと思っていたところに、Amazonが20館の映画館で公開するということに理解を示してくれた。映画館で公開できるなら、ちゃんと1か月間以上、この映画と向き合ってもらうミニシアターにブッキングをお願いしました。今、ミニシアターの方々が大変な苦境に立たされていますよね。みなさんも、ニュースなどでそんな状況を目にしていたと思うんですよ。でも、実際はミニシアターに行ったことがない人が大半かもしれない。この取り組みでミニシアターって、一体なんだろうと思っていた人たちが映画館に行く可能性がありますから」
――具体的にどちらのミニシアターで公開されますか?
「僕の地元、九州でも3館(福岡・KBCシネマ、宮崎・宮崎キネマ館、熊本・DENKIKAN)で上映されます。東京ではユーロスペース、アップリンク、横浜ではジャック&ベティ、大阪ではシネ・ヌーヴォ……。世界の選りすぐりの映画を分かっている人たちが『劇場』をかけてくれる喜びもあります。僕はデビューの頃はお世話になってましたが、これまでシネコンでかけられる作品が多かったので、最近はミニシアターとは縁がなかったので、新鮮な経験となります。通常であれば、試写会で舞台あいさつをして、みんなに観てもらって、広めていくわけですけども、僕はスクリーンで映画が上映されることがこんなにぜいたくで、幸せなことだったんだなと感じました。こういうことは若手の監督たちも知らないことだと思うんですよ」
――そもそも、「劇場」はどういう形で始まった企画ですか?
「僕が原作を読んで、手を挙げたんです。映画化を進めているプロデューサーに話して、又吉さんに『僕でいいか』と聞いてもらいました。原作を読んでいてラストシーンが思い浮かんだので、それも了承してもらいながら、スムーズに進んでいきました」