アツい高校野球マンガ3選 厳しい生活ルールに上下関係…甲子園常連校がモデルの作品も

昨今、エンゼルスの大谷翔平投手の活躍や、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での日本の優勝により、野球が大きな話題となった。野球人気が冷めやらぬなか、2023年8月6日から全国高等学校野球選手権記念大会(通称:夏の甲子園)が開催されている。しかし、中には野球をあまり知らず、盛り上がれないという人もいるかもしれない。今回は、野球を知らない人でも楽しめる、アツくて面白い高校野球漫画を紹介する。

野球をあまり知らない人でも楽しめる高校野球漫画とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
野球をあまり知らない人でも楽しめる高校野球漫画とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

プロ野球選手を多数輩出している高校がモデルの漫画も

 昨今、エンゼルスの大谷翔平投手の活躍や、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での日本の優勝により、野球が大きな話題となった。野球人気が冷めやらぬなか、2023年8月6日から全国高等学校野球選手権記念大会(通称:夏の甲子園)が開催されている。しかし、中には野球をあまり知らず、盛り上がれないという人もいるかもしれない。今回は、野球を知らない人でも楽しめる、アツくて面白い高校野球漫画を紹介する。

 1作目は、『週刊少年マガジン』(講談社)で06年から22年まで連載していた『ダイヤのA』(作:寺嶋裕二)だ。本作は、東京の野球名門校・青道高校に通う主人公・沢村栄純を軸に、チーム全員で成長していく物語だ。

 本作の見どころを紹介するならば、37話での1軍発表シーンだろう。100人以上が所属する野球部だが、1軍は20人のみ。片岡監督は1軍発表の後、1軍に入れなかった3年生メンバーに「これまでの2年間、お前らは本当によく頑張った。(中略)つらく悔しい思いなどいくらでもしたことだろう。だがお前らは決してくじけず最後までこの俺についてきてくれた。これからもずっと俺の誇りであってくれ」と言葉をかけ、一礼する。

 選ばれなかった人の悔しさに、焦点をあてた心揺さぶられる名場面だ。そのほかにも、チームがさまざまな悩みや挫折から成長していくドラマを盛り込んだ本作は、野球を知らない人にもグッとくる漫画だろう。

 2作目は、『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)で1995年から06年まで連載された『GO ANd GO』(作:古谷野孝雄)だ。主人公・新田英吾が長身から放つ剛速球を武器に、甲子園を目指す物語である。

 岡山県から東京の野球名門校・芳陽高校にスカウトされた新田は、お調子者で誰にでもタメ口で話す性格だ。そんな新田が唯一敬語を使う人物・柳典安のエピソードはぜひ読んでほしい。

 柳は野球部に一般入部した人物で、小柄な体格だが、真摯(しんし)に努力を続けてエースにまで上り詰めた。しかし、柳は努力家ゆえのオーバーワークで肘を故障し療養することになる。

 コミックス16巻では、柳が都内大会の準決勝で、新田の連投を防ぐために先発登板する。肘が完治していない柳は、痛みに耐えて5回まで投げ切ったところで限界を迎えた。その後、柳が新田にチームを託すエピソードは感涙必死の名場面だ。SNS上では「柳先輩かっこかわいすぎ」「柳さん最後の試合とワンピースでしか泣かない」と好評の声があがっているのも頷ける。

 3作目は、『モーニング』(講談社)で2015年から連載中の『バトルスタディーズ』だ。作者のなきぼくろ氏は、桑田真澄氏や前田健太投手など、多くのプロ野球選手を輩出したPL学園野球部出身であることも話題になった。

 同作は主人公・狩野笑太郎が、甲子園常連校のDL学園野球部に入り、過酷な生活ルールや厳しい上下関係の洗礼を浴びながら成長していく物語である。

 本作でとくに注目の人物は、後に狩野のライバルとなる丸井優平だ。丸井は軍隊的な寮生活に不安を抱え、入寮当日に逃亡した人物である。4話にてDL学園から逃げたものの、転校の迷いを振り切り、58話には復活を遂げた。その後は野球の実力のほか、人間としても成長し、3年時には主将を任されることに。本作にはアツい人間ドラマが多く、SNS上では「野球マンガで1番面白いかも」「強さとは、相応しいとは、生きるとはまで教えてくれてアツい!」と高評価である。

 今回紹介した3作品は、野球を知らなくても心揺さぶられるアツい絆が描かれた名作揃いだ。そんな野球漫画を読みながら見る甲子園も楽しいだろう。甲子園では今年も漫画のようなドラマが巻き起こるのか、野球漫画と甲子園の両方から目が離せなくなりそうだ。

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