ボクシングにもビデオ判定を導入 16日のダブル世界戦で史上初の試み、会場で映像確認が可能に

「ABEMA(アベマ)」のボクシングチャンネルは13日、日本ボクシングコミッション(JBC)とともに、ボクシングの試合においてビデオ判定を導入することを発表し、16日午後2時より全試合無料生中継する興行『3150FIGHT vol.5』(ABEMAで全試合無料生中継)にて日本ボクシング史上初となるビデオ判定を導入することを決めた。

(左から)JBC本部事務局長の安河内剛氏、IBF立会人のベン・ケイルティー氏、亀田興毅氏
(左から)JBC本部事務局長の安河内剛氏、IBF立会人のベン・ケイルティー氏、亀田興毅氏

「ABEMA」が映像基盤となるシステムを構築

「ABEMA(アベマ)」のボクシングチャンネルは13日、日本ボクシングコミッション(JBC)とともに、ボクシングの試合においてビデオ判定を導入することを発表し、16日午後2時より全試合無料生中継する興行『3150FIGHT vol.5』(ABEMAで全試合無料生中継)にて日本ボクシング史上初となるビデオ判定を導入することを決めた。

 ビデオ判定は、「Video Testing System」(VTS判定)と名称を定め、試合中に起きた人的確認だけでは判断しづらい状況をビデオ映像にて検証し、レフェリーが試合において迅速に正確な判定を下すためのシステムとして使用する。なお、VTS判定を行う際は、大会会場にて映像を映し出し、観戦者も視聴者も試合状況を確認できるシステムを採用する。

 VTS判定の導入は1月6日開催の『3150FIGHT vol.4』にて行われた重岡銀次朗とダニエル・バラダレスのIBF世界ミニマム級タイトルマッチ戦がきっかけ。王者バラダレスがバッティングで負傷し、試合続行不可能に。本大会のメインイベントが無効試合となり、ボクシングファンを中心にバッティングが故意なのか偶然なのかと議論が巻き起こった。この事態を重く受け止めたJBCは、今後同じことが繰り返されないように、またボクシングの信頼を失わないようにしたいとの思いの元、導入を決定。「ABEMA」が映像基盤となるシステムを構築し、提供することになった。

 なお、日本ボクシング史上初の試みとなるVTS判定の導入に際し、JBC本部事務局長の安河内剛氏は「ABEMAの協力なくしては、今回(VTS判定)はできませんでした。この新しいシステムを今後活用していきたいと思います。(VTS判定を使用することで)かなり精度の高い判定ができるのではないかと思っています」とコメントしたほか、国際ボクシング連盟(IBF)立会人のベン・ケイルティー氏も「IBFの会長も非常に素晴らしい、ぜひ導入していただきたいと言っていました。IBFは常にフェアな試合というのを目指していて、VTS判定を使うことによって非常にフェアな試合ができるのではないかと光栄に思っています」とコメントを寄せた。

 VTS判定が初めて正式導入される『3150FIGHT vol.5』では、ダブル世界戦が開催される。IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦にて、前同級王者のレネ・マーク・クアルト(フィリピン)と同級4位の重岡銀次朗が対戦。さらにWBC世界ミニマム級暫定王座決定戦にて、元WBO同級王者ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)とWBC世界同級3位で重岡銀次朗の兄・重岡優大が対戦する。また、但馬ミツロ対ナビーン・バーマ、中川麦茶対ロビン・ラングレス、奈良井翼対アーノン・ユーパーンほか全9試合の実施が決定している。

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