長野県オリジナル新種ブドウ・クイーンルージュ(R)は第2のシャインマスカットになれるか

夏から秋はブドウがおいしい季節。スーパーマーケットの青果売り場には、多種類のブドウが陳列されている。なかでもシャインマスカットは近年とても人気で、値段は決して安くはないがつい手にとってしまう、という人は少なくないだろう。今年はナガノパープルという濃い紫色の高級ブドウもよく目にするようになったが、“ブドウ界”はさらに進化している。2021年、“赤いシャインマスカット”ともいわれるクイーンルージュ(R)という新種が発売されたのだ。クイーンルージュ(R)はシャインマスカットに負けない人気を獲得できるのか。ENCOUNT編集部がクイーンルージュ(R)開発の背景を取材し実食してみた。

たわわに実るクイーンルージュ(R)【写真提供::長野県農政部園芸畜産課】
たわわに実るクイーンルージュ(R)【写真提供::長野県農政部園芸畜産課】

種がなく、皮ごと食べられて、糖度が高いブドウは大人気

 夏から秋はブドウがおいしい季節。スーパーマーケットの青果売り場には、多種類のブドウが陳列されている。なかでもシャインマスカットは近年とても人気で、値段は決して安くはないがつい手にとってしまう、という人は少なくないだろう。今年はナガノパープルという濃い紫色の高級ブドウもよく目にするようになったが、“ブドウ界”はさらに進化している。2021年、“赤いシャインマスカット”ともいわれるクイーンルージュ(R)という新種が発売されたのだ。クイーンルージュ(R)はシャインマスカットに負けない人気を獲得できるのか。ENCOUNT編集部がクイーンルージュ(R)開発の背景を取材し実食してみた。(取材・文=中野裕子)

 近年、大人気のシャインマスカットは種がなく、皮ごと食べられて、糖度が高いことで支持されている。デラウェアをはじめ長年親しまれてきたブドウも甘くておいしいのだが、一粒一粒皮から出し、種を取り除いて食べることを面倒と感じる向きもあった。シャインマスカットはその手間をクリアにし、甘くておいしいのだから人気が出るのも納得だ。実が大きく立派で、美しい黄緑色をしている、その見た目にも心が躍る。

 今年、そのシャインマスカットと並べて売られているのをよく目にするのがナガノパープルだ。第46回日本農業賞大賞を受賞したJA中野市産のナガノパープルは、シャインマスカットと同じく種がなく、皮ごと食べられて、糖度が高い。実が大きく立派なのも同じ。大きく異なるのは色と味で、濃い紫色(紫黒色)で巨峰によく似た味がする。

 それもそのはず、ナガノパープルの“親”は巨峰とリザマートという品種で、この2つを交配して生まれた。長野県オリジナルの品種で、当初は長野県内でしか栽培できなかったが、2年前に全国に解禁された。そのため、広く栽培され流通するように。日本人になじみのある巨峰味の高級ブドウには、早くもファンがついている。巨峰は“ハズレ”がない、というイメージも大きいのではないか。そもそも果物は値の張る食べ物。購入して“ハズレ”がない、という安心感は大きい。

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