青木真也はなぜ離婚に進むのか 語った「家族」と「ファミリー」の違い そして「再婚」

晴れやかな表情を浮かべた
晴れやかな表情を浮かべた

この言葉の意味が分かるだろうか?

「美味しくないですか?」

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 読者の皆様にこの言葉の意味が分かるだろうか? 

 本音を言うと、個人的にはこの言葉の意味をすぐさま理解することはできた。要は一般世間の感覚と大きく違って、青木が生息している格闘技、という芸事の世界では、起こった事象を喜怒哀楽に変換し、表現の1つとして落とし込むことができるジャンルだからだ。となれば「家庭の崩壊」はこれ以上ない美味しいネタになる。青木の言った「美味しくないですか?」の意味はそこにある。

「ホント去年(3月にあったONE)の日本大会まで、1年くらいその別居っていうカードを持っといたんですよ。誰にも言わないようにして。それで日本大会のプロモーションをするってなった時に、別居して1人でいる自宅も全部公開して、(観客が)感情移入の一番のピークまで持っていくぞって。そこからじゃないですか、家族ネタの文章を書き始めたの。この話をするとプロレスっぽいけど、転んだとしてもそれを公にしてコンテンツにするしかないじゃないですか」

 起こった事象を展開させて転がしていく。アントニオ猪木が最も得意としていた表現方法になる。

「だから、そういう意味ではどうしようもない人と思われているかもしれないけど、そんな人ばっかりじゃないですか、プロレスにしろ、格闘技にしろ」

 誤解を恐れずに言えば、様々な理由でジャンルの枠に収まりきれなかった表現者や競技者が行き着く場所がプロレス界であり格闘技界という領域である。

「ですよね」と青木は答えた。さすがはかつて付き合った数人の元彼女から別れ際に「呪います」と言われただけのことはある(本書にそんな記載があった)。要は恋愛という枠からも収まりきれなかったということか。

 とはいえ、青木に限って言えば、その話は表現者だから成り立つのであり、一般的なサラリーマンだと転がしにくいネタではないのか。

「たしかに評価に響く業種もありますよね。でも、よく僕みたいなことで悩んでいる人に言うんですけど、逃げちゃえばいいと思うんですよね。知らねーよって。面倒くさかったら」

 そういって、またまた世間からのブーイングが聞こえてきそうな言動を口にする青木。本書によれば「いつも距離感が近い家族に対しては、距離が詰まり過ぎているせいで甘えが出て、結果的に攻撃し合ってしまう」とある。青木が「ファミリー」というゆるい関係を望んだのもそれが理由だという。

 ちなみに、青木が家庭の崩壊を口にし始めた段階で驚いたのは、あちこちで思わぬ反響があったことだった。

「たまに食事するような距離の人からメッセージが来て、『実は僕も…』っていうのが結構あってビックリですよ。『子どもに会えなくてツラくて』みたいな。他には『どうなっているんですか?』とか。結構、結構あるんですよ」

 この時、青木は「結構」を2回続けた。それだけ頻度が多いという意味だ。要は社会問題になっていることを認識したのである。

「だから全然珍しいことじゃない。よくあること。昨日もある人に会ったら、離婚して、もう2度と結婚しないと思ったら再婚しましたとか。だからいろんなところに転がっているんですよね」

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