新幹線で包丁を取り出し…“昭和の光景”に賛否、JR東海が示した明確なルール

夏休みシーズンとなり、旅行や帰省で新幹線を利用する人が増える時期。車内で駅弁やお菓子などを味わうのも、旅の楽しみの一つだ。昭和の時代には、車内でリンゴや梨などの果物の皮をむいて食べる光景も珍しくなかった。しかし、現代では注意が必要だ。果物をむく目的でも刃物の使用は問題ではないかとの意見が上がり、ネット上で議論を呼んでいる。現在のルールでは、どのような扱いになるのか。JR東海の担当者に聞いた。

新幹線で果物をむく──昭和では普通の光景だったが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
新幹線で果物をむく──昭和では普通の光景だったが…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

新幹線で包丁を取り出し梨の皮むき 「懐かしい」「怖い」と賛否

 夏休みシーズンとなり、旅行や帰省で新幹線を利用する人が増える時期。車内で駅弁やお菓子などを味わうのも、旅の楽しみの一つだ。昭和の時代には、車内でリンゴや梨などの果物の皮をむいて食べる光景も珍しくなかった。しかし、現代では注意が必要だ。果物をむく目的でも刃物の使用は問題ではないかとの意見が上がり、ネット上で議論を呼んでいる。現在のルールでは、どのような扱いになるのか。JR東海の担当者に聞いた。

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 先日、東海道新幹線の車内で目撃されたとする年配女性の行動を伝える投稿がSNSで拡散された。女性は座席でおもむろに包丁を取り出し、梨の皮をむき、そのまま食べ始めたという。昔なら「ほのぼのとした光景」に映っただろうが、現代では安全上許されないのではと問題提起する趣旨の投稿だった。

 これに対して、SNS上では「悪意がなくても新幹線で突然包丁を出されたら普通に怖い」「本当なら一律で禁止にしないといけないんだろうけど判断が難しい」「懐かしい、昔は普通でしたよね。とがめるほどではないと思うけど……」と賛否の声が上がった。

 6月には、JR大宮駅に停車中だった北陸新幹線に乗車していた男性のリュックから刃物の柄のようなものが見えたとして、警察が駆け付ける事案があった。報道によると、男性は所持していた包丁について「移動先で使うため」と説明し、警察は正当な理由があると判断したが、新幹線の運行に一時影響が出るなど大きな騒ぎになった。これを踏まえると、年配女性のケースも「ほのぼの」では済まされないように思える。

 鉄道車内に刃物を持ち込む際のルールは、国土交通省鉄道局が公表した「刃物を鉄道車内に持ち込む際の梱包(こんぽう)方法についてのガイドライン」で示されている。

 ガイドラインでは、包丁やナイフ、カッター、はさみなどの梱包方法が示されている。刃渡りが6センチを超える刃物については「直ちに取り出して使用できない状態」にしておく必要がある。具体的には、刃先をさややケースに収納するか、段ボールなどで覆った上で刃物全体を新聞紙などで包み、丈夫な袋やカバンなどにしまう。購入時の梱包状態を保ったまま運ぶことも認められる。

 また、刃渡り6センチ以下の場合でも「鉄道車内では使用せず、袋等に収納しておくことが必要」とされている。

「果物をむく等の目的でも使用できません」JR東海が回答

 JR東海の担当者によると、鉄道運輸規程とJR6社共通の旅客営業規則では、他の乗客に危害を及ぼす恐れがないよう梱包されたものを除き、刃物を車内に持ち込むことはできないと定められている。適切な梱包かどうかについては、国交省のガイドラインに沿って判断するという。

 では、果物の皮をむくための包丁の使用はどのように扱われるのか。

 担当者は、包丁の刃渡りが6センチを超えていた場合、すぐに取り出して使用できない状態にしておく必要があると説明。刃渡りが6センチ以下の場合でも、鉄道車内では使用せず、袋などに収納しておくことが必要だと話した。

「したがって、果物をむく等の目的であっても、車内で刃物を使用することはできません」

 現在のルールでは、目的や悪意の有無にかかわらず、車内で刃物を取り出して使うことは認められないというのが、JR東海の見解だ。

 正当な理由で刃物を持ち込む場合について、担当者は「手回り品の詳細なルールは駅のポスターや弊社ホームページでご案内しておりますので、ご乗車になる前にお確かめいただきますようお願いいたします」と説明。また、車内で刃物などを見かけた場合については「危険と感じられる物や行為にお気付きのときは、ご自身の安全を確保したうえで、乗務員やパーサー、警備員または駅係員までお知らせください」と呼びかけている。

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