STU48矢野帆夏が愛されたワケ 最後まで貫いた“生きざま”、第2の人生でも誓う恩返し

矢野は「MiKER!」2代目リーダーとしても頼りにされる存在だった【写真:(C)STU】
矢野は「MiKER!」2代目リーダーとしても頼りにされる存在だった【写真:(C)STU】

「アイドルにしてくれてありがとう」とファンに感謝

 ただ、今年6月30日の「MiKER!」公演でSTU48からの卒業を発表後は、ステージ上でも泣く姿を見せるようになった。7月開催の5周年コンサートでは、1期生だけで披露したデビューシングル「暗闇」の曲中にキャプテンの1期生・今村美月とともに涙し、自身の生誕祭でも後輩・吉田彩良からの手紙で涙ぐむシーンがあった。矢野は「いい意味で、肩の荷が下りた部分はあると思います」と明かす。

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「『グループを引っ張っぱらなきゃ』みたいに気負わず、純粋にファンの方との時間を大切にしよう、アイドルとしての時間はもう二度とないからかわいくいようって。生誕祭もお手紙で涙が出そうになりました。辞める実感が出てきたし、気を張ることが減って、涙腺が緩んだのかもしれません(笑)」

 卒業発表からの約3か月は、あっという間だった。5周年コンサート、23歳の生誕祭、1期生5周年特別公演、故郷・江田島での最後のスペシャルステージ、「MiKER!」リーダー卒業企画「ありがとうMiKER!これが私の軌跡だ!全員で行くぞ 江田島旅!」、卒業公演など、多くの思い出が刻まれた。そのなかで、「アイドルとしての私を作ってくれた」と語るファンへの感謝の思いを、矢野は忘れてはいない。

「私の周りはみんないい人」。それも矢野の人柄によるところが大きい【写真:(C)STU】
「私の周りはみんないい人」。それも矢野の人柄によるところが大きい【写真:(C)STU】

「アイドルになって本当に良かったなって。ファンの方には、『私をアイドルにしてくれてありがとう』と伝えたいし、これは一生かけて返していきたい恩だと思っています。卒業発表をしてから、『さびしい』とたくさん言っていただくなかで、『大好きな歌は続けるべきなんじゃないか』とも思い始めています。例えば、個人として江田島をPRしたり、芸能活動とはまた違った自分の形で広島に貢献していきたいです」

 矢野はかつて、「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で優勝を目指す理由の一つに、こんな思いを語っていた。

「私のファンだということに自信を持って、自慢してもらいたい」

 唯一無二の形でアイドルとして駆け抜けた生きざまは、きっと矢野を応援する者にとっても誇りに違いない。

□矢野帆夏(やの・ほのか)1999年8月6日、広島県出身。STU48 1期生。アイドルとして、歌い手としてはもちろん、「人間・矢野帆夏」として見る者の心を掴み、グループを陰で支えてきた唯一無二の存在。卒業公演で、「花は誰のもの?」劇場盤Extra Editionの発売記念イベント(10月16日、11月20日、12月17日、12月25日)に特別参加することが発表された。第2の人生に向けては「いろんなことにガツガツ挑戦していきたい」と語る。

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