STU48矢野帆夏が愛されたワケ 最後まで貫いた“生きざま”、第2の人生でも誓う恩返し

瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生・矢野帆夏は、9月18日に卒業公演を行った。メンバーに寄り添い、グループのため・生まれ故郷のために行動し、ファンから愛された生きざまは、唯一無二のものだった。

「STU48」矢野帆夏(前列中央)【写真:(C)STU】
「STU48」矢野帆夏(前列中央)【写真:(C)STU】

「我流」を貫いた“ありのままの自分”を見せるアイドル人生

 瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生・矢野帆夏は、9月18日に卒業公演を行った。メンバーに寄り添い、グループのため・生まれ故郷のために行動し、ファンから愛された生きざまは、唯一無二のものだった。

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 おしりでクルミを割って笑いを誘うバラエティーキャラ、STU48内の年下メンバーにとってのお姉さん役、課外活動ユニット「MiKER!」の2代目リーダー、「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で“歌唱力ガチ勢”と呼ばれたプロ級アーティストの顔、江田島市の初代広報大使としての奮闘、人情深く実は涙もろい一面……。そのいずれも矢野の本当の姿である。

 アイドルの形は人それぞれだ。STU48で言えば、1期生の岩田陽菜は“可愛さ100点満点”を追求し、見る者に笑顔や元気をもたらす正統派タイプ。副キャプテンの1期生・福田朱里は、元AKB48の渡辺麻友に憧れ、「ファンの方の前で弱いところは見せないのが私のポリシー」と「一生アイドル宣言」を掲げている。

 一方の矢野は、人間味全開タイプとでも言うべきか。「矢野帆夏はどんなアイドルか」との問いに本人は、「我流。私と同じ人は絶対にいないと思います」と笑って答えた。

「私はふくちゃん(福田)と真逆。ふくちゃんは頭がいいのも含めて、私にないものを全部持っています。私は(STU48加入前に)アイドルに詳しくないし、ファンだったわけでもなかったからこそできる、一番人間味がある生きざまかなって。アイドルっぽくないところというか、悪い部分も全部見せてきたつもりで、表裏はないと思います」

卒業公演では自身を慕う2期生・吉田彩良と「友達」を歌った【写真:(C)STU】
卒業公演では自身を慕う2期生・吉田彩良と「友達」を歌った【写真:(C)STU】

 2期生の吉田彩良が、「推しメンではないけど、1人の人間として大好きです」と今年8月の「矢野帆夏生誕祭」で送った手紙で綴ったのも、“人間らしさ”に惹かれたからだろう。約5年半、苦楽をともにしてきた1期生の兵頭葵は、「ほのたん(矢野)は優しくて、情に厚い人。本当に人を大切にします」と、その人柄に触れている。

 そんな矢野も、「うれしいときだけ泣きんさい」という母親の教えもあって、アイドルとしては人前で涙を流すことは滅多になかった。特に、課外活動ユニット「MiKER!」の初代リーダーである薮下楓の卒業以降は、それが顕著だった。

 薮下楓が2021年4月、公演後にメンバーへ卒業の意思を伝えたとき、泣き崩れるメンバーたちの姿を見て、気丈に振舞って寄り添った。今の自分のすべてを懸けた「STU48瀬戸内PR部隊Season2」の投票で目標の7位以内に入れなかった際も、ショックは心の内にしまい、号泣する盟友の1期生・谷口茉妃菜らを気遣う立場に回っていた。「ほかのメンバーにとっての頼れる存在にならないといけない」。そんな思いが、強かったからかもしれない。

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