野宮真貴の歩んだ40年 デビュー1年で契約解除も…あきらめなかった“歌うこと”

幼い頃の夢が現実に

 実はこの40年で子どもの頃の夢をいくつかかなえることができました。まず今年の4月にNHK「うたコン」で横山剣さんと「おないどし」をあの「ステージ101」で使っていたNHKの101スタジオで歌うことができたこと。そして筒美京平さんのトリビュートライブで、あこがれていた「ヤング101」のメンバーだった太田裕美さんと同じステージに立てたこと。歌謡番組でスポットライトを浴びて歌っていた野口五郎さんをはじめ、たくさんのスター歌手のみなさんと共演できたこと。ついミーハーになってしまい、共演者のみなさんと2ショットを撮らせていただきました(笑)。

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 2年前の還暦ライヴでは、大好きな鈴木雅之さんと横山剣さんと共演。そして先日の40周年記念ライヴでは、GLIM SPANKYの松尾レミさん、カジヒデキさん、同い年の剣さん、そして慶一さんをゲストに招いて、ファンのみなさんの前で歌えたことの幸せを噛み締めてます。特にデビュー時のプロデューサーの慶一さんと、デビュー曲「女ともだち」と新曲「美しい鏡」の2曲を40年という時を経て歌えたことも感慨深かったですね。

 そしてポータブル・ロックも30年ぶりに新曲を書いてくれて、「そういえば、私たちまだ解散していなかったね」ということで、ベスト盤をリリースすることができました。40年前に始めた1つ1つの点が、今1つの線となってつながっていくような不思議な感覚です。ドラマや映画の最終回でこれまで「伏線」を「回収」していような感じというか。

 今、「最終回」っていいましたが、実は先日のライブで古希までは歌うとお客さんに宣言しちゃいましたから、あと8年ぐらい、ミニスカートにハイヒールでステージに立てるよう、毎日少しずつトレーニングを続けています。大切なのは1日1日を大切に積み重ねて、これからも楽しく自由に歌っていきたいですね。

□野宮 真貴(のみや・まき)ミュージシャン/エッセイスト。1981年「ピンクの心」でデビュー。その後ポータブル・ロックを経て、80年代ニューウェーヴシーンを代表する存在に。ピチカート・ファイヴ3代目ヴォーカリストとして、90年代に一世を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、音楽・ファッションアイコンとなる。2001年からソロアーティストとして活動。またエッセイストとして「赤い口紅があればいい」(2016)、「おしゃれはほどほどでいい。」(2017)(幻冬舎刊)を刊行し、共にベストセラー・エッセイとなる。20年は還暦を迎え、モバイルファンクラブ「おしゃれ御殿」をオープン。21年はデビュー40周年を迎え、ニューアルバム「New Beautiful」を発売。5月25日にアナログ盤発売と配信リリースをスタート。

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