音楽に無縁の野球少年が魅了されたAAAのライブ “弟分”lol佐藤友祐が受け継ぐ思い

「成長と変化」を求めるようになったきっかけを明かした佐藤友祐【写真:西村綾乃】
「成長と変化」を求めるようになったきっかけを明かした佐藤友祐【写真:西村綾乃】

「歌詞には、自分のエモい部分を出したい」

 最新曲「だからその前に」では、“ちょっと情けない主人公”の心情が描かれている。

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「これまでは『オレが引っ張っていく』とか強い存在を歌うことが多かったですが、今回は『好きな人に好きだ』と言えなくて、見つめているタイプ…。相手が幸せなら自分は我慢しても…という感じで。ちょっとモヤモヤします。自分の人生は自分が主役で主人公だから、世界で1番大切だと思う人がいるのなら、『好きだ』と伝えて欲しいなと思います。サビにかけて気持ちが高揚していく曲なので、『伝えたい、届けたい』という思いがある人、踏み出したい時に聴いて欲しいです」

 多感な青春期をともにしたメンバーと経験を重ね、「次への扉を開きたい」と思うようになった。昨年、AAAの與真司郎がアーティスト活動休止前に開催したツアーでオープニングアクトを務めたことも、「成長と変化」を求めるきっかけになった。

「僕らの仕事は人と比べられることが多くて、その中で気持ちが曲がりそうになる時もあるけれど、與さんは濁りがなくて、愛に真っ直ぐな人。一緒にいると心が浄化されます。大先輩のTRFもAAAも楽園のようなショータイムに引き込んでくれる。信じられないような才能を持った天才。自分の足りなさに情けなく思う時もありますが、目指すべき人がいることはうれしいことです。先輩たちが観た景色を僕らも見たいと思っています。同じエイベックスで男女混成グループとして活動をしているので、この形を継承していきたいですし、先輩たちを超えるようなグループになりたいです」

 その思いを形にすべく、lolは4月29日の愛知公演を皮切りに7都市をめぐる約2年ぶりの全国ツアー「lol live tour 2022 (仮)」を展開する。

「コロナ禍で久しぶりにライブに来られる方もいると思います。だからこそ、『ライブってこんなに楽しかったっけ?』と感じられるように全力で楽しませたいです。ライブは1・2部の2構成で、それぞれ全く異なる世界観。ファンの方が好きな曲はもちろん、『えっ!その曲をやるの?』とサプライズも考えています」

 佐藤自身は曲作りに挑戦しているといい、ツアーで披露できるよう準備を進めている。

「最初は鼻歌で作り始めましたが、すでに踊れる曲とバラードの2曲は完璧にできています。マネジャーさんもギターを弾いてくれたり、僕の浮かんだアイデアを形にするサポートをしてくれています。心強いです。歌詞には、自分のエモい部分を出したいので、経験も込めたいです。コロナ禍でたくさんチャージできましたし、今年は温めてきたことをみんなに発表していきます。『変革の年』として突き進んでいきたいです」

 瞳を輝かせながら話す佐藤には、すでに次のステージに立っている5人の姿が見えているようだった。

□佐藤友祐(さとう・ゆうすけ)1996年6月11日、札幌市生まれ。2014年に行われたオーディションで選ばれたメンバーで、男女混成ダンス&ボーカルグループのlolを結成。2015年8月にシングル「fire!」でメジャーデビューした。佐藤の俳優デビュー作は、舞台「私のホストちゃん」(13年)で、その後、映画やテレビドラマに出演している。血液型O。趣味はバイクに乗ること。

次のページへ (3/3) 【写真】lol(エルオーエル)の佐藤友祐のインタビュー別カット
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