「逃げて逃げて逃げ切るんだ」 車いす生活送る志茂田景樹が今、悩める若者に伝えたいこと

Zoomで自宅から取材対応。カラフルなヘアカラーは今も健在
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すべての年齢層の人へ「1回こっきりの人生だから、攻めに出て正解だよ」

――最近はツイッターで主に若者と交流されていますが、エッセーの言葉は若者に向けたものなのでしょうか?

「若い人を目の前において言葉で伝えている感覚ですが、若い人に限定したものではなくて、その背後に広い年齢層の方々がいるという意識もあります。すべての年齢層の人たちに伝えられれば」

――「1回こっきりの人生だから、攻めに出て正解だよ」といった、人々を応援する言葉がたくさんありました。エッセーを書こうと思った理由を教えてください。

「『なぜそこで立ち止まっているんだよ』と、(悩んでいる人の)背中を押したい。だって、人生1回こっきりなんだから。やりたかったらやっていいんですよ。その感性が少しよそ見した方向へいってしまうと、将来の自分の姿を、“不安の厚い暗雲”に包まれたように思ってしまう人たちがいる」

――人生に立ち止まっている人たちへのメッセージでもありますね。

「10年15年30年先の自分(の不安)を考えるのではなく、『“たった今の自分”がどうするべきか』をしっかり考えた方がいい。失敗しようが何しようが、1回こっきりの人生の中で修正していけばいい。それを少しでもわかってくれたら、考え方を30度くらい変えてくれるのかな」

――30度ですか。

「考え方を30度変えたら、とてもしめたものだと思う。決して、『キミの考えは180度間違っている、だからこうやれ!』じゃない。『キミの人生だからそれでいいけど、その考えを30度だけ変えてみたら、違ったもの、違った理屈が見えてくるんじゃないか』と伝えたい」

――ツイッターで若者と交流されて感じることはありますか?

「自分の進路や道に自信を持てない人が多いんじゃないですかね。『認められていない、認めてくれる人がいないかもしれない』という不安だと思う。認めてもらえなくてもあまり気にすることはない。“杞憂に近い悩み”で悩みがち。今の若い人は僕らの頃よりデリケートなんだと思いますね」

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