“Uの末裔”41歳中村大介がRIZIN参戦 朝倉未来との対戦へ意欲「一つずつ勝っていけば」

ベルト、レガース、黒パンの3点セット

 中村がその境地に達するまでにはきっかけが存在する。20年9月、中村は7年ぶりにMMAの試合に復帰することになった。その時、ノアのリングで桜庭が杉浦貴と組んだタッグチームがGHCチャンピオンになったのだ。

「そこで元気をもらったんですよね。実は桜庭さんにとっては初戴冠だったそうなんですけど、当時50歳かな。しかもプロレス大賞の最優秀タッグチーム賞にも選ばれたんです。その後に杉浦軍の話が来たので、本当に今、会見でも『杉浦軍の』って言っちゃうんですけど、本当うれしいんですよね」

 念のために記述すると、「杉浦軍」には桜庭和志、藤田和之、ケンドー・カシン、杉浦貴といったPRIDEを湧かせたファイターがそろっている。

 中村からすれば、「そういう中でやらせていただくのがホントうれしくて」と、見るからに喜びが伝わってくる表情をのぞかせたが、今回のRIZIN参戦はまだ桜庭に報告していないという。

「大先輩で大スターなので緊張しちゃうので。一緒に酒を飲んだりする時は楽しいんですけど(笑)」

 実はそうした喜びの中にある中村には、思案中の構想がある。

「自分はまだまだなので、もうちょっと名前を売らなきゃなと思っています。それとチャンピオンになったら、レガースにパンツにベルトで写真を撮りたいですよね」

 近い将来、その3点セットをリング上でそろえた姿は観てみたい。

「RIZINに出ている選手でノアに出ている選手はいないですからね。それがうれしいですね、今の状況が。いろんな方に感謝です」

 それが「杉浦軍」を名乗ることにもつながっているのかもしれないが、それはともかく、仮に「Yogibo presents RIZIN.31」で新居を破れば、大みそか大会も見えてくる可能性は高い。

「良い試合をすれば大みそかも見えてくると思いますし、その後にはタイトル争いも見えてくると思います。本当に一個一個勝って行くしかないですよね」

 それにしても、RIZINフェザー級戦線に、41歳の“Uの末裔”中村大介の存在がいることは興味深い。最近は主に「アスリート」か「不良」にカテゴライズされてしまっている場合が多々見受けられるが、良くも悪くもそこにはプロの世界にあってほしい「違和感」が減ってきている傾向にある。そこに全く違った“Uの末裔”という色が加わると、心地の良い「違和感」が生まれてくるに違いない。RIZINに古き良き新しい風。“Uの末裔”がそんな存在になってくれれば。心からそれを期待してやまない。

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