【おもしろ看板】「変えるなら奥さんよりも壁の色!」の看板掲げる会社会長は一代で都内にビル4棟

趣味は発明 アイデアをイラストにして会社の壁に貼っている【写真:ENCOUNT編集部】
趣味は発明 アイデアをイラストにして会社の壁に貼っている【写真:ENCOUNT編集部】

成功の秘訣はどんな注文にも前向きだったから!?

 成功の秘けつは、とにかく必死で働いたからですかね。寝ないで仕事をした、というと大げさですが、お客様からお電話があれば何時でも、塗装にこだわらず対応してきました。それは今も変わりません。台風のときに夜中の2時に「雨漏りしているから何とかしてくれ」と電話があり、息子たちを連れてブルーシートをかけに行ったこともあります。そうしたことの積み重ねで、信頼していただけたんじゃないでしょうか。

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 昔はコワモテのお客様から「頑丈なドアを作ってくれ」という依頼を受けたこともあります。機関銃で襲われても穴があかないように、ということで(笑)。鉄で分厚いドアを作ったら、6人がかりでないと運べないほどでした。製作費用も通常、ドアは1枚3、4万円ですが、50万円ほどかかりました。

 丈夫なたんすを作ってくれ、と注文を受けたこともあります。襲撃されたとき、中に入って隠れられるように、と(笑)。そのお客様ではないですが、支払ってくれない方もいましたよ。集金に行ってみたら、狭い部屋にコワモテの若い衆がギュウギュウにひしめき合って座っていて、ついたての向こうから親分らしき人が「わざわざ来てくださったんだ。半分お渡ししろ」と若い衆に命じて、半分はいただけました。でも、残り半分は結局、支払っていただけませんでした。まあ、いろんなことがありました。

 今は、会社は長男に任せ会長に退いていますから、会社には出てきますがちょこちょこ片付けや掃除をするぐらいです。楽しみといえば、発明ですか。社会に出てから自然といろいろ考えるようになって、今、一般社団法人発明学会の理事を務めています。10年ほど前に特許を取った、片手でトイレットペーパーが切れるホルダー「コロベークン」は、片手が不自由なご年配の方や障害のある方に喜ばれています。こういうものを考え出すのが楽しいですね。

□佐々木孝吉(ささき・こうきち)1937年7月13日、北海道・長万部町生まれ。町立国縫中学卒業後、建設会社や塗装店で働いた後、18歳で上京。木炭輸送船の乗員や三宅島で炭焼きや柔道指導をした後、60年、東京・江東区で塗装業を始めた。67年、「株式会社ささき」の前身「ささき塗装株式会社」設立。2005年、社長職を長男に譲り会長に。私生活では1963年、三宅島で知り合った、7歳年下の柔道の教え子と結婚し4男。孫12人、ひ孫3人。

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