レースクイーン・根岸しおりが貫く“広告塔としての自分” かつては露出に抵抗も「今では何も思わない(笑)」

自称「芋女子」だった会社員が数年後には、“トップレースクイーン”になっていた。レースクイーン4年目を迎えた根岸しおりは、たゆまぬ努力と自分磨きによって今の地位を確立した。30歳を目前に控えた彼女にとっての“レースクイーン”という職業とは――。

インタビューに応じた根岸しおり【写真:増田美咲】
インタビューに応じた根岸しおり【写真:増田美咲】

ミニスカとは無縁だった“芋女子”会社員時代

 自称「芋女子」だった会社員が数年後には、“トップレースクイーン”になっていた。レースクイーン4年目を迎えた根岸しおりは、たゆまぬ努力と自分磨きによって今の地位を確立した。30歳を目前に控えた彼女にとっての“レースクイーン”という職業とは――。(取材・文=中村彰洋)

 高校卒業後、一般企業に就職した根岸。化粧っ気もなければ、ミニスカートを履くことすらもない「オタク女子」だったと当時を懐かしむ。しかし、23歳でコスプレに挑戦したことをきっかけに大きく人生が動いた。

 当時は、コスプレイベントや小規模な撮影会に参加する程度だったが、徐々に人から見られることに楽しさを覚えるようになっていった。

「最初は露出に抵抗がありました。水着姿もずっとNGだったくらいです。もともとが“芋女子”だったので、きれいやかわいいという概念を理解できていなかったんです(笑)。でも、ある程度の知識をつけていく中で、多少の露出があったほうがかわいく見えたり、脚がきれいに見えたりするといったことがやっと分かるようになってきました。今では全く抵抗もないですし、何も思わなくなりました(笑)」

 22歳でイベントコンパニオンという仕事で生計を立てていくことを決意。会社も退社した。そこからは、導かれるようにレースクイーンを目指すようになっていった。自分磨きを重ね、悲願のレースクイーンデビューを果たした。

「みんなに『なんで根岸が?』と思われていると思います(笑)。会社員時代の同僚にも何も伝えていませんでした。でも、レースクイーンとして活動していることはバレているみたいで、応援もしてくれています」

 さらには、家族にすらも報告をしていなかったとも明かす。「両親には、今でもちゃんとは報告していないです。お父さんからは、Xでフォローされて、その後にLINEが届きました。『あ、それ私です』って感じでバレました」とあっけらかんと笑う。

愛嬌たっぷりな姿と特徴的な声で愛されている【写真:増田美咲】
愛嬌たっぷりな姿と特徴的な声で愛されている【写真:増田美咲】

“ねぎしお沼”にハマる人が続出「あざとさの意識はない」

 華やかな世界に憧れて、サーキットの上に立つ道を選んだが、今ではレースの世界に魅了されっぱなしだ。

「初めてサーキットに立った瞬間から、モータースポーツを好きになりました。チームが良い成績を収めた時に、チームやファンの方と一緒に喜べる瞬間が最高に楽しいんです。レースを見ていると、アドレナリンがドバドバです(笑)」

 レースの世界に魅せられたからこそ、当初は考えてもいなかった意識が芽生え始めた。

「私が広告塔になることで、モータースポーツやレースアンバサダーというお仕事をもっともっと広げていきたいです。この業界がずっと続いていくための貢献を少しでもできればと思っています。そのためのイベント企画や運営を積極的にしていきたいです」

 レースクイーン業界は、競争の激しい女性社会だが、「私は、周りに本当に恵まれていて、トラブルになったことが1度もないんです」と感謝を口にする。その一方で「距離感だけは気をつけるようにしています」と処世術も明かす。

 ニコニコな笑顔がトレードマークだが、「メンタルは強くはないかも」ともこぼす。「表では、自分の役割を全うしているつもりですが、裏では結構泣いていることが多いです。お酒が好きなので、家でビールやチューハイを飲んで、泣いて、寝て、翌朝にはスッキリです」とリフレッシュ方法も確立している。

 26歳という遅咲きデビューの一方、3年目という早さで「レースアンバサダーアワード2025」を受賞した。4年目ながらも29歳という年齢が、将来を考えさせている。

「『いつまで現場に立っていられるのかな』と毎日のように考えています。結婚願望が全くないので、体が動く限りは現役を続けていきたいです。もし、レースクイーンを辞めたとしても、何らかの形でこの業界には携わっていきたいです」

 素顔は、アニメやゲーム好きな“オタク女子”。活動の原点ともなったコスプレも趣味として続けている。その一方で、アクティブな一面も持ち合わせている。アニメ『ゆるキャン△』をきっかけにソロキャンプにも没頭するようになった。

「興味を持ったら一直線な性格なので、コロナ禍に原付バイクを購入して、ソロキャンプに挑戦するようになりました。今でも、年に1~2回はソロキャンしています」

“ねぎしお”という親しみやすい愛称で、愛嬌たっぷりな姿が人気を博している。特徴的な声も武器の一つ。ファンからは「沼ってます」と声を掛けられることも多いという。

「あざとさみたいなものを意識しているつもりはあまりないんです。もしかしたら、元々の性格なのかもしれません。今までは、表に出していなかっただけで、その部分を100%出したら、今の私になるのかもしれないです(笑)」

 モータースポーツやレースクイーン業界の未来のために、明日も誰かの心を揺さぶっていく。“ねぎしお沼”の底はまだまだ見えない。

□根岸しおり(ねぎし・しおり)1996年11月5日、埼玉県出身。プリッツコーポレーション所属。2019年にイベントコンパニオンとしての活動を始める。23年にレースクイーンデビューを果たすと、同年に「Adam by GMO 日本レースクイーン大賞2023」新人部門でクリッカー新人賞を受賞。25年には「レースアンバサダーアワード2025」を受賞。26年は『Moduloスマイル』として活動。愛称は「ねぎしお」。

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