【東京女子】渡辺未詩が語る“世代交代”への違和感「誰かが傷つくのは嫌」 誰もが幸せになれるプロレスの理想形
東京女子プロレスにおいて、どの興行でもオープニングで歌とダンスを披露し、そしてプリンセス・オブ・プリンセス王者時代は、ほぼメインイベントで戦い続けてきた渡辺未詩。アップアップガールズ(プロレス)の一員でもあり、彼女の入場曲『チョコっとラブ ME ドゥー』にも「歌って踊って戦うアイドル」というフレーズが出てくるが、それは渡辺未詩そのものと言っていいだろう。その彼女へのインタビュー前編では、ここ2年で2度の戴冠を果たしたプリプリ王者時代を振り返ってもらった。

“世代交代”という言葉は誰かが傷つく…私は誰も傷つかない東京女子が好き
東京女子プロレスにおいて、どの興行でもオープニングで歌とダンスを披露し、そしてプリンセス・オブ・プリンセス王者時代は、ほぼメインイベントで戦い続けてきた渡辺未詩。アップアップガールズ(プロレス)の一員でもあり、彼女の入場曲『チョコっとラブ ME ドゥー』にも「歌って踊って戦うアイドル」というフレーズが出てくるが、それは渡辺未詩そのものと言っていいだろう。その彼女へのインタビュー前編では、ここ2年で2度の戴冠を果たしたプリプリ王者時代を振り返ってもらった。(取材・文=橋場了吾)
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前回、渡辺未詩にインタビューしたのは2024年2月。同年3月31日に、両国国技館で山下実優を破り、プリンセス・オブ・プリンセス王座初戴冠を実現する直前だった。ちなみに渡辺は、このタイミングでインターナショナル・プリンセス王座、プリンセスタッグ王座の戴冠経験もあり、東女におけるグランドスラムを達成した。
「(当時のことは)覚えてはいるんですけど、やっぱり必死すぎて……なんかギリギリの状態でいた気がします。シンプルに試合内容・勝敗に対してもギリギリな状態でしたし、どういう風にチャンピオンとして、団体の頂点のチャンピオンとしていたらいいのか。たくさんの先輩や後輩がいる中で、頂点のベルトを持っている立場の振る舞い方というか……2年前の出来事ですけど、若かったなって思いますね」
当時は、荒井優希がインターナショナル王座、でいじーもんきー(鈴芽&遠藤有栖)がタッグ王座を保持しており、“世代交代”といわれた時期でもあった。
「“世代交代”といわれていたことを、重く捉えていた人は重く捉えていたんです。実は私は重く捉えていた方なんですけど、(過去に)『“世代交代”って言われたくない』という先輩の考え方に触れてきたので、『東京女子ってこうじゃないよな』みたいな感じでした。『自分が見てきて好きになった東京女子』と『これから自分たちが作っていく東京女子』が違うものになるのは、私は嫌だという思いがあって……。世間的には“世代交代”といった方が面白いでしょうし、傍から見ている分には楽しいと思うんですけど、誰かが傷つくものではあるので。私は『誰も傷つかない東京女子』が好きで、誰かが傷つくんだったら意味がないと思うんですよ」
その理由は、2022年8月の東京プリンセスカップの決勝戦の出来事だった。
「私がプリンセスカップの決勝で(坂崎)ユカさんと戦ったときに、私の優勝を応援してくれている声に背中を押されて挑んでいったんですけど、そもそも決勝の舞台で『挑んでいく』という言葉を使ったのが間違いだったことに気づいたんです。ユカさん自身、決勝が終わった後に『(勝ったけど)応援されたかった』というマイクで話されたときに、私が挑んでいくっていう絵が、世間的にも見やすいと思ったので自然と出た言葉は、ユカさんは望んでいなかったですし、それは当たり前なわけですよ。それからユカさんのことばかりを考える時期があって、中島(翔子)さんや山下さんもどう考えているんだろうと。その経験を経て、両国の結果が出たときに“世代交代”という見方を減らして、今の東京女子をどう楽しんでもらえるかを考えていたので、これが当時防衛していく中でギリギリな状態だった理由です」

鈴芽は思い描く東京女子の姿を一緒の気持ちで話せる選手、だから…
以前、鈴芽は「“世代交代”という言葉をぶち壊したのは未詩さんだった」と語っていた。
「鈴芽とは、東京女子を見始めた時期が一緒なんですよ。鈴芽がファンとして見始めた時期と、私がオーディションでやってきたのが同じタイミングで。なので、お互い好きな東京女子が同じだからこそ、その部分に対しての意見が一緒なんですよね。『東京女子って、こうだよね』という考え方も、思い描く東京女子の姿も、一緒の気持ちで話せる選手ですね。今年の1.4(後楽園大会のプリプリ戦)は、そこをぶつけられた相手で好きな東京女子を再認識できましたし、(1回目の戴冠時は)鈴芽がいてくれて心強かったですし、世代交代という言葉との戦いに行けなかったですね」
2025.1.4後楽園ホール大会、渡辺は瑞希に敗れプリプリ王座から陥落。しかし同年9月に、瑞希とのリベンジマッチに勝利し2度目の戴冠を果たした。
「一回タイトルを落としたことをきっかけに、強さだけではない、いろいろなプロレスを好きになって、逆にふり幅を増やさないとさらに強くなれないなということに重きを置くようになりました。大会が終わったときにファンの方が幸せに帰ってもらえるのが一番なので、激しい試合をしたとしても、私はそれで心配させることがないことが、イコール幸せになる手段なので、私のパワーは自信を持ってお届けしています(笑)。
(2回目の戴冠は)東京プリンセスカップがあって、1回戦がずっと一緒にいるらくちゃんが相手で……だいぶ追い込まれたんですが、またひとつ自分が大きくなれて視野が広がった試合でしたね。2回戦は(風城)ハルという、年齢もキャリアも後輩を相手にしたときに自分がどうなるのか。この試合をしっかり勝つことができて、中島さんとの試合でも成長できて、決勝で有栖という4者4様の相手になって、私がさらに強くなるために歩めたトーナメントを経た後だったので、大田区で(瑞希に)挑戦するときには一回りも二回りも大きい状態で自信しかありませんでしたね。
私は後輩として向かってきて欲しくないし、私も後輩として扱わない。私がユカさんにしてしまったことを繰り返させないように、意地でも有栖と私の両方を応援してもらえるように、それができないと優勝する意味がないと思っていました。私が東京女子の歴史を一瞬変えかけてしまった……片方の選手だけを応援するというのは東京女子らしく発言など特に考えて挑みました。将来先輩になっていく後輩の居場所がなくなってしまうということがないように、徹底して考えて決勝に臨みました」
(31日配信の後編へ続く)
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