アイドル卒業から3年半 菅井友香、デビュー10年の現在地「もらった愛を倍にして返せる存在でいたい」
俳優の菅井友香が、映画『チェイサーゲームW 水魚の交わり』(太田勇監督、5月15日公開)で中村ゆりかとダブル主演する。ゲーム業界の裏側と女性同士の愛憎を描いたテレビ東京系ドラマ『チェイサーゲームW』シリーズ(2024年)の続編で、菅井は2022年に櫻坂46を卒業後、初主演ドラマ&第2弾で好演した役に再び挑んだ。今年デビューから10年を迎え勢いづく中、俳優として成長した点や節目の年を迎えた心境を明かした。

ドラマで初主演から4年『チェイサーゲームW』映画化実現
俳優の菅井友香が、映画『チェイサーゲームW 水魚の交わり』(太田勇監督、5月15日公開)で中村ゆりかとダブル主演する。ゲーム業界の裏側と女性同士の愛憎を描いたテレビ東京系ドラマ『チェイサーゲームW』シリーズ(2024年)の続編で、菅井は2022年に櫻坂46を卒業後、初主演ドラマ&第2弾で好演した役に再び挑んだ。今年デビューから10年を迎え勢いづく中、俳優として成長した点や節目の年を迎えた心境を明かした。(取材・文=大宮高史)
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学生時代に愛し合っていた春本樹と林冬雨が、ゲーム開発会社で再会するところから始まる『チェイサーゲームW』(24年1月期・9月期)の物語が2年ぶりに動き出した。ドラマ版に続き、菅井は樹役、中村は冬雨役を演じ、本作はテレビ第2シリーズの結末から7年後が舞台となる。
樹と冬雨は、冬雨の実の娘の月(岡本望来)と一緒に静岡・伊東で家族として暮らしていた。冬雨は変わらず東京のゲーム開発会社で働き、樹は地元で働き、家事や子育てを分担していたが、恋人から家族へと関係が変わった日々の中では、すれ違いも起きて……。障壁を乗り越えて結ばれたはずの女性2人が再び歩み寄ろうとするストーリーで、菅井はパートナーや“娘”のために頑張る樹のリアルを丁寧に表現した。
――今作は、第2弾『チェイサーゲームW 美しき天女たち』から7年後の物語になりましたが、作品についての第一印象を教えてください。
「脚本をいただいた段階から意識していたのは、30代という年齢ならではのリアリティーでした。彼女も年齢を重ねて自分でも制御できない不調に苦しんでいる、という設定があり、監督とも話し合って、お芝居をしました」
――確かに、いいことばかりではないという現実も描かれています。
「幸せな家族ができたはずなのに、自分でもコントロールできない悩みがあって、そんなどうしようもないイライラを、一番大切にしたいはずの冬雨にぶつけてしまったり……。また、変わらず会社で活躍する冬雨のことを『私がなりたかった未来の自分の姿だ』と内心羨んでいる一面もあります。理想と現実のギャップに悩み、生き方に葛藤しているところは、しっかりと表現したかった部分です」
――今作のお芝居で、印象に残っている場面はありますか。
「つい家の中でケンカしてしまうシーンでは、テストでも本番でもずっと感情をのせることができました。テストの時が、私はまっさらな状態なのでいつも一番いい演技ができていると思っていました。ですが、このシーンでは特にゆりかさんが最初から最後まで全力で感情をぶつけてくださったので、私も演じ切ることができました」
――「テストの時の演技が一番いいと思う」というのは、ケンカの芝居に限らない感じでしょうか。
「テストでのお芝居を、本番やリテイクでも無意識になぞってしまうのは昔からの私の癖なんです。以前、マネージャーさんからも『なぞって100点を目指すより、前のお芝居を忘れてやってみた方が130点のものが出るかもしれないから、リセットしてみるのもいいよ』とアドバイスをいただき、トライしています。太田監督も私のこの癖を理解して、撮ってくださいました」

W主演・中村ゆりかからの影響は?
本作では、30代を迎えた女性のリアルな悩みや重い感情を芝居に落とし込んでいるところもポイントになっている。菅井自身、思い悩む人物の役作りは、普段の過ごし方にも影響するそうで、現在出演中のテレ東系ドラマ『水曜日、私の夫に抱かれてください』(水曜深夜0時30分)も同様という。こちらは入山法子とW主演を務めており、菅井は、初めての交際相手が既婚者で、入山演じる妻・神栖怜から“妻公認の不倫”を提案される小吹蓉子を演じている。
「蓉子を演じていた時は、不倫相手になってしまった罪の意識でずっと肩が重いような気分でした。日常でのちょっとした話しぶりでも、撮影期間中は家で母に『いつもと違うよ』と指摘されたほど影響されていたようです。今作はずっと伊東でのロケでしたが、普段の私をよく知っている方から見たら、違って見えたと思います」
――そういう時、いつもの菅井さんに戻るきっかけなどはありますか。
「他のお仕事の現場に行かせていただくことが、いいリセットになっています。番組MCやラジオの現場でもそれぞれにスタッフさんからの愛を感じますし、ラジオの現場ではよくイジってもらえるようになりました(笑)。他愛もないことでしゃべりすぎて、気づいたら本番までぎりぎり、ということもあります。おかげで自然と素の私に戻れています」
――では、『チェイサーゲームW』シリーズの経験で成長できたと思うことはありますか。
「自分の持てるエネルギー量を把握して、適度にリラックスできるようになりました。ドラマの第1弾の時は(グループ卒業後)初めてのドラマ主演だったので、常に張りつめていた記憶があります。今作は3作目ですし、ずっとシリーズでお世話になっているスタッフさんと一緒という安心感もあって、休憩になると女子会のように盛り上がったりもしていました(笑)。ただ、休めるところで休まないと、もたなくなってしまうので、ペース配分の大切さを覚えました」
――そして、ドラマ版から一緒に作品を作ってきた中村さんとは“いつ×ふゆ”コンビとしてファンにも愛されてきました。中村さんから影響を受けたことは?
「自分に自信を持たないと、と思いました。ゆりかさんは、よく質問をしてくれていて。コミュニケーションを取ることで、お互いいい表現が生まれたと思います。私自身も25歳を過ぎたあたりから、『思ったことを言葉にしなきゃ』と意識するようになって、仕事場では密に話す時間を増やしたりしています。今回の撮影で、例えば3人で食事をするシーンでは必ずマグカップの取手を冬雨の方向に向けてみました。それが樹なりの冬雨への愛情だなと思って。こんな風に気づいたことを実践していったら、監督からも『繊細な芝居が深くなりましたね』と言っていただけて、樹と一体化していたのかなと思います」
――相手の方への心遣いも感じますが、それは普段からの習慣でしょうか。
「そうですね……。グループ時代はメンバー全員の誕生日は覚えていて、必ずプレゼントも渡していました。思いは形にしないと伝わらないと思っていて、そんな気遣いをお芝居の現場でも発揮できるようになったのかなと思います」
――最後に、今年は、2016年に(当時)欅坂46の楽曲『サイレントマジョリティー』でのデビューから10年となります。節目を迎えた現在の心境をお聞きします。
「自分1人では活動できなくて、支えていただいてここまでこられた10年です。仕事の現場でお会いする多くの方々やファンの方からもらえる愛のおかげなので、これを倍にして返せる存在でいたいです。今作のシリーズでも20代から30代までの樹の人生を演じて、いろいろな気づきをいただけました。新しくファンになってくださった方もたくさんいらっしゃって、ありがたい出会いもありました。この縁や愛を大切にして、今後も新しい面をお見せしていきたいです」
□菅井友香(すがい・ゆうか)1995年11月29日、東京都生まれ。2015年、欅坂46(現・櫻坂46)の第1期生オーディションに合格し、翌16年にデビュー。グループの初代キャプテンを務め、22年11月に卒業した。現在は俳優として活躍するほか、番組MCとして、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)や『競馬BEAT』(カンテレ)に出演する。また、文化放送『菅井友香のぷっはーと乾杯ラジオ』のパーソナリティーを務めるなど多方面で活躍中。2026年はNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』、テレビ東京系『水曜日、私の夫に抱かれてください』などに出演。写真集『たびすがい』が好評発売中。165センチ。
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