【ばけばけ】トミー・バストウ、1年間かけて役作り 口ひげ伸ばし、キセル吸い…左目には白濁のコンタクト

俳優のトミー・バストウがレフカダ・ヘブン役で出演するNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)について、出演が決まった時の気持ちやトキ役の高石あかり、錦織役の吉沢亮と共演した印象などを語った。

レフカダ・ヘブンを演じるトミー・バストウ【写真:(C)NHK】
レフカダ・ヘブンを演じるトミー・バストウ【写真:(C)NHK】

英語教師として来日したレフカダ・ヘブン役、トキと出会い交流が始まる

 俳優のトミー・バストウがレフカダ・ヘブン役で出演するNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)について、出演が決まった時の気持ちやトキ役の高石あかり、錦織役の吉沢亮と共演した印象などを語った。

 まず出演が決まった時の気持ちをコメントした。

「朝ドラのオーディションを受ける機会をいただけて本当にうれしかったです。そして、この役を引き受けた瞬間、たくさんの挑戦と大きな責任が伴うだろうと覚悟もしました。朝ドラは日本で多くの方に愛され、長く続いている番組です。そこにメインキャストとして外国人が出演するということは、自分が西洋を代表するような責任を感じました。この作品を通して日本と海外の架け橋になれるよう、できる限りのことをしたいです。松江に来たヘブンへの期待がすごく高かったのと同じで、僕も『西洋から来た俳優さんが朝ドラに出るということはすごいに違いない!』というプレッシャーを感じながら、頑張ります(笑)」

 演じるヘブンはどんな人物?

「ヘブンのモデルであるハーンさん(小泉八雲)は子どもの頃に両親と疎遠になり、痛みを抱えながら、いつも居場所を探していた人です。思いやりがあって動物や弱い立場の人を守りたいという気持ちを持っている一方、偽善が大嫌いで強く主張するなど独特な面があるのも面白いですね。彼の繊細さと冒険者なところが私自身との共通点です」

 役作りについても紹介した。

「山ほどある伝記や彼の手紙を読み、去年の9月から約1年間役作りを続けてきました。彼はどうやって話している? 彼の考え方は? あの人に対して何を考えている? とたくさん考えましたし、彼の姿勢と視線をまねして猫背で人を見上げる感じで演じています。口ひげも自分のひげを伸ばして作りました。

 撮影前にはNHK大阪放送局の廊下を彼のように歩いたり、喫煙室でキセルを吸ったりして、ハーンさんのように動けば動くほど役の基盤に自信が持て、より自由に演じられるようになるからです。撮影中に変わっていくこともありますが、撮影前に真剣に準備するメリットは大きいですね。役作りというのはとても大切だと思っています。役作りすればするほど、ハーンさんとヘブンのことがすごく好きになりました。

 ハーンさんは左目を失明しているので、今回は、白濁したコンタクトレンズをしています。視界が悪くなるからレンズはしなくてもいいと言われましたが、作品にとって重要なのはレンズをした時に私が見やすいかどうかではありません。レンズをしたヘブンに共演者のみんながどう反応するかなんです。あのレンズを入れるからこそより役作りができたと思っています」

 ヘブンとトキ、錦織の関係についても紹介した。

「ヘブンとトキは怪談という生きがいを共有し、怪談への愛と怪談を世界にシェアしたいという共通の思いを持って愛を開花させたのだと思います。私も生きがいを共有できるバンドの仲間がいて、彼らのことがとても大切なので、そう思いました。ヘブンは怪談を通してトキとつながったとき、ようやく故郷を見つけたような気がしたはずです。松江に来たばかりのヘブンは日本を愛しているけれど相談できる人がいない状態。そんな彼にとって錦織さんの存在は大きな助けだったと思います。物語が進むにつれて、彼とのつながりがさらに強くなるといいですね」

 トキ役の高石あかり、錦織役の吉沢亮と共演した印象もコメントした。

「あかりさんとは会った瞬間に仲良くなりました。とても話しやすい方で、現場での指示を僕がよく理解できていないとき、あかりさんがゆっくり話して教えてくれて助けてくれています。それに彼女はすごく元気! 僕は夜になったらエネルギーが減っていくのだけれど(笑)、彼女はいくら撮影してもエネルギーに満ちているんです。あかりさんのおかげで現場のみんなが頑張れています。

 亮さんもすばらしい方です! スターでありながらとても気さくで話しやすい方なので、一緒に仕事ができて本当にうれしいです。彼は英語を、私は日本語を勉強しているのでお互いに助け合ったり、日本とイギリスの文化の違いについて面白い話をたくさんしたりしました。ふたりともゲーム好きという共通点があり、ゲームを通してより仲良くなりました。本当に気が合うんです」

 最後に『ばけばけ』の見どころと視聴者へのメッセージをコメントした。

「この物語のすばらしさは、どんな国にいてもどんな人でも、諦めずに探し続けたら愛を見つけられるというところです。また国際カップルが非常にまれだった時代にトキとヘブンが想い合っていたという事実と、ふたりの愛に対する偏見や多くの困難を乗り越えなければならなかったという事実も重要です。怪談を語り合い、一緒に人生を築くことで当時の環境を超越したその力強い愛が、ドラマをご覧になる皆さんに届くように心から願っています」

 作品は俳優・高石がヒロイン・松野トキを演じ、松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。

※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか

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