芸能生活50年、岡田奈々の今 青春ドラマで一世風靡も…結婚は「できなかったんです」

初代ポッキーガールとして1975年にお菓子のCMで一世を風靡し、同年のドラマ『俺たちの旅』、76年『俺たちの朝』、78年『ゆうひが丘の総理大臣』など人気作に次々に出演して注目を集めた歌手で俳優の岡田奈々。清廉かつ可憐な印象でファンをとりこにした。今年は俳優&歌手デビュー50周年となる。岡田に50年を振り返ってもらうと同時に近況や結婚など私生活についても聞いた。

芸能生活半世紀を振り返る岡田奈々
芸能生活半世紀を振り返る岡田奈々

75年に初代ポッキーガール、人気ドラマに多数出演…清廉かつ可憐にファンを虜に

 初代ポッキーガールとして1975年にお菓子のCMで一世を風靡し、同年のドラマ『俺たちの旅』、76年『俺たちの朝』、78年『ゆうひが丘の総理大臣』など人気作に次々に出演して注目を集めた歌手で俳優の岡田奈々。清廉かつ可憐な印象でファンをとりこにした。今年は俳優&歌手デビュー50周年となる。岡田に50年を振り返ってもらうと同時に近況や結婚など私生活についても聞いた。(取材・文=中野由喜)

 まず50年前の芸能界入りの状況を尋ねた。発端はスカウトだったが当時15歳。芸能界で生きる覚悟はあったのか。

「スカウトされたのは高校1年生の時でした。当時、芸能界に憧れはありましたが手の届かない世界と思っていましたので声をかけていただいた時はうれしかったですね。子どもの頃はテレビっ子で学校から帰ってきたらテレビの前に座ってドラマや歌謡番組をずっと見ている子でしたので単純に1度やってみたいと思いました。夢と希望でいっぱいだったと思います」

 驚くほど若々しいルックスに50年の時を感じさせないが、この50年を振り返ってもらった。そもそも俳優と歌手のどちらになりたかったのか。

「歌を歌っていた5年間は憧れの歌手になれて幸せでした。子どもの頃は歌うことは大好きでしたので、よく人前で歌っていました。だから歌手にはなりたかったんでしょうね。この50年、心掛けてきたのは仕事を楽しもうとしてきたこと。1シーンでもいいので、これをやりたい、楽しみたいというところを見つけると、いい結果に結びついてきた気がします」

 大変だったことを聞くと可憐な佇まいから想像がつかないエピソードが……。

「サスペンスドラマでは走っている車の後部座席から飛び降り、エメロンシャンプーのCMの撮影では崖から海に飛び込みました。ハワイで行ったアイスのCM撮影では2メートルの波に巻き込まれて何度もNGがでました。ハードな仕事が大好きなんです(笑)」

 青春ドラマの思い出も尋ねた。

「『ゆうひが丘の総理大臣』の時には母親役を樹木希林さんが演じてくださり、希林さんの優しさに魅了されました。リハーサルは台本通りなのに本番では急にアドリブで鼻声になって笑わせられたりしました。私の演じる役はきついセリフ回しが多いので、私のイメージダウンにならないように希林さんが気遣い、アドリブでやんわりとしてくださったんです。すごくありがたかったです」

『俺たちの旅』などで共演した中村雅俊の印象はどうだろう。

「現場で待ち時間にギターを弾き、即興で替え歌を歌ってくださるなど、現場を和ませてくれていました。おかげで現場は楽しいムード。悪いところが見当たらない、とても温かい人です」

 岡田個人の青春時代も気になる。

「学校に行き、ドラマも映画もCMもあって特に歌手活動をしていた5年間は寝る時間もありませんでした。でも、つらいと思ったことはありません。好きで入った世界ですし、楽しかったから続けられたと思います。寝る時間はなくとも本当に楽しかった青春時代。飽き性の私が続けてこられたのは新しい歌、新しい台本、人との出会い…いろんなことが新鮮だったんだと思います。病気もせず、この道一筋で生きてきたことに『よくやってこれたな』というのが実感。納得する、やりたい仕事にこだわってきましたので後悔もありません」

 最近の仕事の状況も尋ねた。

「やりたい仕事になかなか出会えていません。年齢的にも難しいのかもしれません。か細い自分のイメージからかけ離れた役や、今、この役をやっていいのかなと考えてしまう役を頂いたり……」

 ここでプライベートについても聞いてみた。気になる結婚は?

「できなかったんです」

理想の男性像についても語った
理想の男性像についても語った

結婚を意識した人物とは?

 突然のインパクトあるワード。

「結婚は20歳頃からいい人がいないかなと、ずっと考えていたんですけど。出会いはあったんです。でも形にはなりませんでしたから結婚しなかったと言うよりできなかったという方が正しいかもしれません」

 どんな人だったのか。

「業界の方ではありますが一般の方です」

 まだチャンスはあると思うが。

「結婚はもう遅いでしょう(笑)。でもこれから老後は長いですから、そういう人ができたらいいですよね」

 理想の男性像はどんなタイプか。

「職人さんのような方が好きです。無口でコツコツと仕事をするような。ひかれるのはクールな方のような気がします」

 プライベートの日常も気になる。

「5年前から健康を考えて1日7000歩と決めて歩いています。最近は私の全シングル17曲を歌いながら歩いていますが、歌詞は全曲覚えています。あとはYouTubeとかで赤ちゃんの映像を見て癒されています(笑)」

 ここでもう一つ気になることを聞いてみた。芸能界には元AKB48の岡田奈々という同姓同名のタレントがいる。どう感じているのだろう。

「知った時は本当に驚きました。彼女のおかげで昔、こういう人がいたんだと、私の名前も表に出てくるのでいいことだと思っています」

2月5日にデビュー50周年CDボックス『岡田奈々/青春のアルバム復刻 CDボックス』を、同14日には芸能生活50周年記念秘蔵フォト本邦初公開プレミアムBOX 『岡田奈々 LAST MESSAGE』を発売する。

「CDはギターの弾き語りの曲『青春の坂道』をアカペラで歌ったりアレンジが違ったりと楽しめると思います。写真は30代ぐらいまでのプライベートの写真が中心です。お友だちなど身近な方が撮ってくれた写真。私のアルバムに貼ってあった写真で作った写真集という感じです。これまで全く世に出ていないオフショットがほとんどです」

 最近はテレビや映画でもなかなか姿を見ることができないが、旅番組には「いいですね」と関心を示した。どんな形であれファンは待っているはず。久々に目にする人は変わらぬ可憐さに驚くに違いない。

□岡田奈々(おかだ・なな)1959年2月12日、岐阜県生まれ。1974年にオーディション番組『あなたをスターに!』の第2回チャンピオンとなり、同年グリコアーモンドチョコレートのCMに出演。翌75年にはポッキーガールとして人気に。同年、テレビ朝日系ドラマ『うしろの正面』で俳優デビューし、その後、日本テレビ系『俺たちの旅』でオメダ(田中健)の妹・真弓役で注目される。76年には『俺たちの朝』、78年『ゆうひが丘の総理大臣』、84年には大河ドラマ『山河燃ゆ』に出演。歌手としては75年にはシングル『ひとりごと』で歌手デビュー。これまで76年発売のヒット曲『青春の坂道』などシングル17枚、アルバム8枚発売。

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