バラエティー番組で麻酔薬使用し物議 専門家「完全にアウト」「ネットだからOKといういう問題ではない」

今月14日からアマゾンプライムで配信されたバラエティー番組『KILLAH KUTS』。地上波では表現できない過激な内容が“売り”となっている。そのひとつである麻酔を使用した企画がネットで大炎上。日本麻酔科学会からも怒りの声明が出るなどしている。この件について麻酔科標榜医の資格を持つ医師の高須幹弥氏が自身のYouTubeチャンネルで私見を述べた。

バラエティー番組『KILLAH KUTS』【写真:ENCOUNT編集部】
バラエティー番組『KILLAH KUTS』【写真:ENCOUNT編集部】

番組側は「胃カメラ検査のついでに」という姿勢

 今月14日からアマゾンプライムで配信されたバラエティー番組『KILLAH KUTS』。地上波では表現できない過激な内容が“売り”となっている。そのひとつである麻酔を使用した企画がネットで大炎上。日本麻酔科学会からも怒りの声明が出るなどしている。この件について麻酔科標榜医の資格を持つ医師の高須幹弥氏が自身のYouTubeチャンネルで私見を述べた。

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 物議となっているのは芸人に麻酔薬プロポフォールを投与し「ダイイングメッセージ」を残せるかという企画。番組側は胃カメラ検査のついでにロケをしたという姿勢だ。手術や鎮静を目的とした麻酔薬の使用に日本麻酔科学会も怒りの声をあげた。

 高須氏はこの問題について「炎上して当然。きわめて不適切な番組だったと思います」と断罪。さらに「完全にアウトです。一応医者の管理下ではやってるんですよ。そのついでだからいいだろうというていだと思うんですけど、麻酔薬を使って面白おかしい変な演出をしてるわけなのでね」とその理由について説明した。

 これまでさまざまな問題を冷静に解説してきた高須氏だがこの件については「一部、一部の人が面白がってこれをまねするとか勘違いしてこれが楽しいんだとか変な使い方をするということが起きて場合によっては死亡事故が起きますので、助長するのでやるべきではない」と感情をあらわにしていた。

 呼吸抑制がこの薬の危険性だと説明。しかし「一部では嗜好目的でやってる」と驚きの事実も明かした。違法薬物と同じように使用する医療従事者もいるという。

 また自身にこの番組のような企画が打診された場合、「僕は絶対に断りますよ」と断言し「(地上波番組ではなく)ネットだからOKとかそういう問題ではない」と指摘した。

次のページへ (2/2) 【写真】麻酔薬使用以外にも危険な企画
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