映画『大名倒産』神木隆之介ら一家団らん撮影の舞台裏 松山ケンイチ「すごくバランスのいいチーム」

俳優の神木隆之介が主演を務める映画『大名倒産』が6月23日から全国公開される。このたび、佐藤浩市、松山ケンイチ、桜田通、杉咲花らとの一家団らんシーンの撮影の様子が解禁となった。

『大名倒産』の撮影の様子が解禁された
『大名倒産』の撮影の様子が解禁された

6月23日全国公開の『大名倒産』

 俳優の神木隆之介が主演を務める映画『大名倒産』が6月23日から全国公開される。このたび、佐藤浩市、松山ケンイチ、桜田通、杉咲花らとの一家団らんシーンの撮影の様子が解禁となった。

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 神木主演で、時代劇の名手、浅田次郎の同名原作小説を、ヒットメーカー、前田哲監督が映画化した、時代劇エンターテインメント『大名倒産』。鮭役人の息子から、徳川家康の血を引く若殿(プリンス)への華麗なる転身劇……かと思いきや、実は25万両(およそ100億円)もの借金を抱える、訳ありビンボー藩の経営を押しつけられてしまった青年・小四郎(神木)の奮闘を明るく描く。

 実父・一狐斎(佐藤)から、藩を潰して、借金を踏み倒すという、大胆な計画を持ちかけられた小四郎。殿様稼業に無知な、“いきなりプリンス”を助けるのが、小四郎の個性的な異母兄弟、新次郎(松山)&喜三郎(桜田)だ。実は以前から、神木と親交のある松山と桜田。神木も「僕のことをよく知るお2人に優しく支えてもらいながら、撮影を乗りきれました」と絶大な信頼を寄せる。

 本作の撮影で3人が初めて顔をそろえたのは、小四郎の幼なじみ・さよ(杉咲)も加わって、食卓を囲む、一家団らんの場面。松山と桜田にとっては、撮影初日のファーストシーンでもあった。病鉢巻姿の喜三郎は、病弱だが聡明なキャラクター。リハーサルでは、歌で心境を詠むという、喜三郎の妙癖を、監督がいきなり実演してみせた。

 かん高い声で、激しい抑揚をつけたセリフ回しに、身振り手振りを加えたコミカルな動きだが、桜田は待ち時間中も自主練を繰り返し、アグレッシブに表現した。桜田と監督のやりとりをそばで見ていた杉咲は「“こんなふうに詠まれるんだ!”と衝撃でした(笑)。監督の演出で、どんどん肉付けされていった印象です」と話した。

 監督の斬新な演出に、果敢に応えた桜田は「脚本から想像していた以上のキャラクターを、現場で監督が引きだしてくださいました。松山さんのドタバタぶりも楽しくて、“こういう関係性の家族なんだ”と初日に知ることができて、勉強になりました」と充実した表情を見せていた。

 父から“うつけ者”と疎んじられる、もう一人の兄、新次郎は、顔中にご飯粒をたくさんつけて、食事中も落ち着きがない。大声で「おかわり」を連呼する新次郎(役の松山)に、給仕係がどれくらいごはんをよそうかと尋ねると、松山が監督に「藩はもう貧乏なんですよね?」と確認。監督が「うん。だからおかずも質素でしょ?」と答えると「じゃあ、新次郎が『大盛り』って言っても、小盛りで!」と、リアルなディテールを求めた。監督のリクエストで追加された、喜三郎の魚を横取りする新次郎の動きに、小四郎(役の神木がアドリブで)乗っかって、初日とは思えぬ、わちゃわちゃ感満載のにぎやかなシーンとなった。

 松山は「神木くんが柔らかい人だから、現場の空気感も柔らかくて、入りやすかったですね。神木くんをはじめ、いい意味で役に収まっているというのか、小四郎の真っすぐさや喜三郎の色っぽさなど、頑張って(役柄を)表現するのではなくて、自然と表現できている。それは俳優の力だけじゃなく、衣装やメイク、セットの力を受けて、できていること。すごくバランスのいいチームだと思います。みんなで話し合いながら、作っていけているので、自分でも予想してなかったことが、現場でたくさん生まれたらいいなと思っています」と前田組の手応えを語った。

次のページへ (2/2) 【写真】松山ケンイチは顔中にご飯粒だらけ…『大名倒産』の場面カット
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