アイナ・ジ・エンド、BiSH解散へ「後悔のない終わり方を」 本音は「悲しいです」

“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。2023年をもっての解散が発表されて以降、数々のプロジェクトが進む中、メンバー初主演のオムニバス映画「BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK’N’ROLL」が公開中だ。アイナ・ジ・エンドが自身のソロ活動、BiSH解散への思いを語る。

BiSH解散への思いを語ったアイナ・ジ・エンド【写真:荒川祐史】
BiSH解散への思いを語ったアイナ・ジ・エンド【写真:荒川祐史】

オムニバス映画公開中「演者としては赤ちゃんレベル」8月にはミュージカル初主演

“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。2023年をもっての解散が発表されて以降、数々のプロジェクトが進む中、メンバー初主演のオムニバス映画「BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK’N’ROLL」が公開中だ。アイナ・ジ・エンドが自身のソロ活動、BiSH解散への思いを語る。(取材・文=平辻哲也)

 アイナ・ジ・エンドは20年12月からシンガーソング・ライターとして本格的に活動している。これまで「THE END」と「THE ZOMBIE」の2枚のアルバムを発表し、最新シングル「私の真心」(6月6日発売)は岡村靖幸の作詞作曲。おなじみのハスキーボイスに、ゆったりとしたソウルフルなメロディーが心にしみ渡る。

「自分の作詞作曲だと、限界を超えることは難しいのかな、もっと違う自分に挑戦したいと思って、大好きな岡村さんにお願いしたんです。岡村さん以外は頭に浮かばなかった。頂いた曲は、思ってた以上に私を引き出していただいた。宝物みたいな歌になりました」

 BiSHの23年をもっての解散については「いくら『腹をくくっています』と言っても、悲しいですね。BiSHの清掃員(ファンの呼称)がいて、それで、アイナ・ジ・エンドもできた。そこは何も変わってない。解散したら、皆がいなくなっちゃうのかなと思うと、悲しい。曲を作って、振り付けをやっても、求めてくれる人がいて、生きがいを感じられる。ただ、自分が頑張れば、清掃員も見てくれると思えば、解散も頑張れる。メンバー、社長も大好きなので、みんなでハッピーエンドじゃなくても、後悔のない終わり方をしたらいいなと、今は思うんです」。

 オムニバス映画のオープニングを飾った「リノベーション」(田辺秀伸監督)出演を機に、演じることにも目覚めた。

「ちゃんと演技指導されたのは、いままで1度しかないんです。だから、演者としては赤ちゃんレベル。中井貴一さん、二階堂ふみさんと共演した『いまだったら言える気がする』(コロナ禍で配信されたウェブ映画、行定勲監督)はリモート撮影でしたが、行定監督が丁寧に指導してくださった。『SING/シング:ネクストステージ』(22年3月、米アニメ)の吹き替えも楽しかったですし、自分ではない誰かになるのは楽しかったです。三池崇史さん、岩井俊二さん、行定勲さん……。大好きな監督はいっぱいいるので、女優はやってみたいです」

 8月23日からはブロードウェイミュージカル「ジャニス」(東京国際フォーラム)でミュージカル初主演に初挑戦する。27歳で急逝した伝説的なロックシンガーのジャニス・ジョプリン役だ。「今、目の前にいる人や愛をちゃんと分かるようになりたい。それがすべてのような気がする。ジャニスは孤独を愛するシンガーと言われるんですけど、それを言い過ぎたら、独りよがりじゃないか、と思うんです。彼女の愛をちゃんと体ににじませて、歌いたい、と思っています」。アイナのハスキーボイスが、ジャニスのしゃがれ声に新たな生命を吹き込むことになるのだろう。

□アイナ・ジ・エンド(あいな・じ・えんど)“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバー。2021年2月に本人作詞作曲による全12曲を収録した初のソロアルバム「THE END」をリリース。ソロ活動を本格化し、初のソロツアーは全公演即日完売。22年3月には、大阪城ホールで単独公演「AiNA THE END “帰巣本能”」を開催。

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