令和の王道は? 新たな道に踏み出し変革する日本プロレスに注目【連載vol.30】
プロレス界の「春の祭典」が戻ってくる。全日本プロレスの「2021チャンピオン・カーニバル(CC)」が、4月9日、大阪エディオンアリーナで開幕。5月3日、東京・後楽園ホールの最終戦まで全10大会にわたって、過酷なサバイバルレースが展開される。
毎週金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
プロレス界の「春の祭典」が戻ってくる。全日本プロレスの「2021チャンピオン・カーニバル(CC)」が、4月9日、大阪エディオンアリーナで開幕。5月3日、東京・後楽園ホールの最終戦まで全10大会にわたって、過酷なサバイバルレースが展開される。
CCは1973年4月に初開催され、途中、リーグ戦ではなく、タイトル戦が集中開催された時期があり、今年で41回目となる。歴史あるCC。入場式での大乱闘や数々の名勝負がよみがえる。
昨年はコロナ禍によって、異例の秋開催となったが「春の本場所」の異名通りとなった今年は、全10選手が総当たりリーグ戦で争う。1ブロック総当たりは2001年以来で20年ぶりとなる。
あくまで個人闘争となるCCだが、全日本プロレスは地殻変動の真っ最中。アンファンテリブル(ET)が空中分解し、リーダーだった芦野祥太郎が追放されてしまった。芦野は3冠王者・諏訪魔と合流。3冠戦で激突するうちに、闘う者同志、ファイティングスタイルが通じ合ったのだ。
芦野を呼び寄せた諏訪魔は「お前、悔しい思いをしているんじゃないか? 俺はいくらでも協力するよ」と握手。もう1人、陣だった岩本煌史とスリーショットを公開した。
残ったETメンバー、土肥こうじ、熊嵐、児玉裕輔、大森北斗は、陣の大将だったジェイク・リーの元に集結。TAJIRIも加わり、新たな軍団を結成した。ジェイクは「俺は結果がすべてだと思っている。このチームは共感できる。正義が勝つんじゃなくて、勝つから正義なんだ」と決意を表明した。
ET、陣が再編成され、新たな勢力図が出来上がりつつある全日本プロレス。ただし、CC開幕までにはまだまだひと波乱もふた波乱もありそうだ。
いずれにせよ、今年のCCには、3冠王者・諏訪魔、前年度CC優勝者・ゼウス、世界タッグ王者・宮原健斗、石川修司、ジェイク・リー、世界タッグ王者・青柳優馬、芦野、土肥に加え、佐藤耕平と大谷晋二郎がエントリーされた。
初出場は土肥、佐藤、大谷の3人だが、ZERO1の大黒柱・大谷の暴れっぷりは注目される。ZERO1の看板も背負っており、負けられない闘いが続くことになる。