20代が会社に求めるのは「給与」と同等に「福利厚生」 住宅補助や食事補助…物価高で必要とする日常の生活支援

福利厚生代行サービスのベネフィット・ワンは12日までに、民間企業の正社員として働く20代~60代の男女1000人を対象に実施した「ビジネスパーソンの福利厚生に関する意識・実態調査」の結果を発表した。物価上昇が続く中、ビジネスパーソンの88.0%が福利厚生を「生活に必要な知識」と認識。一方で、「十分に使いこなせている」と感じる人は16.1%にとどまり、認知と行動の間に大きなギャップがあることが浮き彫りになった。

実態調査の結果を発表(写真はイメージ)【写真:写真AC】
実態調査の結果を発表(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「ビジネスパーソンの福利厚生に関する意識・実態調査」で判明

 福利厚生代行サービスのベネフィット・ワンは12日までに、民間企業の正社員として働く20代~60代の男女1000人を対象に実施した「ビジネスパーソンの福利厚生に関する意識・実態調査」の結果を発表した。物価上昇が続く中、ビジネスパーソンの88.0%が福利厚生を「生活に必要な知識」と認識。一方で、「十分に使いこなせている」と感じる人は16.1%にとどまり、認知と行動の間に大きなギャップがあることが浮き彫りになった。

 調査によると、福利厚生制度を十分に活用できている層が日常的に得ている節約効果は、月平均で5513円(年間換算で約6万6000円相当)にのぼる。これが大企業(従業員1000人以上)の勤務者になると、月額6236円、経営者では月額7806円とさらに恩恵が増している。

 一方で、全体の41.2%が福利厚生を「あまり・まったく活用できていない」と回答。使える制度を正しく理解して行動に移す能力を「福利厚生リテラシー」と同社は定義しており、この能力の高さがビジネスパーソンの生活水準に直結する時代となっている。

「十分に活用できていない」理由のトップ3は以下の通り。

1位:忙しくて時間がない(21.8%)
2位:手続きが面倒(21.4%)
3位:何が使えるか分からない(20.4%)

 さらに「会社からの説明不足(19.4%)」を挙げる声も多く、制度が従業員に届いていない現状もある。経営者・人事担当者の85.5%が「周知できている」と回答しているのに対し、従業員の64.9%が「説明・周知が不足している」と感じている。

 福利厚生の使い道にも変化が見られる。宿泊補助やレジャー割引などの「余暇系」が27.4%だったのに対し、食事補助や日用品割引などの「支出削減系」の直近1年以内の利用率は45.4%に達し、生活防衛型の活用が顕著となった。

 この傾向は若い世代ほど強く、直近1年以内に「支出削減系」を利用した割合は、50代の26.5%に対して20代は59.5%。若年層ほど福利厚生を「余暇」ではなく、「日々の生活費を抑えるツール」としてシビアに活用している。

「今後、あったらよい福利厚生」に関する質問では、日々の生活に直結する「生活防衛系」を求める声が84.4%を占めた。

1位:食事補助(43.8%)
2位:住宅補助(41.5%)
3位:光熱費・通信費補助(41.4%)

 昨今、採用市場などで話題になりがちな「推し活支援(10.7%)」や「美容補助(11.3%)」といった個性的なユニーク制度を求める声は1割程度にとどまり、ビジネスパーソンが求めているのは独自性よりも圧倒的に「日常の生活支援」である現実が浮き彫りになっている。

 こうした背景から、働く前提として企業を魅力的に感じる要素にも変化が起きている。全体では1位「給与(58.3%)」、2位「福利厚生が充実している(47.3%)」となったが、20代の一般社員に限ると、「給与(47.5%)」と「福利厚生の充実(44.5%)」の差はわずかになっている。若い世代をひきつける採用戦略としても、充実した福利厚生とその活用支援は外せない要素になりつつある。

 この結果を受けて、千葉商科大会計大学院の可児俊信教授は「従業員は、これまで給与と手当に生活支援の役割を求めてきた。一方、福利厚生には日常生活に上乗せする『ゆとり』を求めてきた。社宅や保養所といった福利厚生で家族を含めて『ゆとり』ある生活が実現されてきた」と説明。その上で「物価上昇や手当の廃止・縮小が続く中で、従業員は福利厚生に生活支援の役割が求め始めていることが、このアンケート結果から読み取ることができる」などと分析した。

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