ポケモンカード購入にマイナンバーカード導入 「本気の転売対策」と期待も…専門家の見解は

株式会社ポケモンが今月21日、ポケモンカードゲームの商品販売・イベントにおいて、マイナンバーカードを使用した本人確認システムの導入を検討していると発表、ネット上では「本気の転売対策」と評価する声も多く上がっている。実際のところ、マイナンバーカードでの本人確認にはどのような効果が期待できるのか。専門家に見解を聞いた。

人気が高騰しているポケモンカード【写真:ポケモンカードゲーム公式サイトから】
人気が高騰しているポケモンカード【写真:ポケモンカードゲーム公式サイトから】

スマホでマイナンバーカードのICチップを読み取り、プレイヤーズクラブのアカウントを認証

 株式会社ポケモンが今月21日、ポケモンカードゲームの商品販売・イベントにおいて、マイナンバーカードを使用した本人確認システムの導入を検討していると発表、ネット上では「本気の転売対策」と評価する声も多く上がっている。実際のところ、マイナンバーカードでの本人確認にはどのような効果が期待できるのか。専門家に見解を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

 ポケモンカードゲームは今月21日、公式サイト上で「【重要】ポケモンカードゲームの商品販売・イベントにおけるマイナンバーカードを使用した本人確認システムの導入について」と題した文書を公表。「現在、すべてのお客様に公平な機会を提供し、安心・安全にサービスをお楽しみいただくための取り組みとして、『マイナンバーカード』を用いた本人確認システムの導入を検討しております」との方針を明かした。

 ポケットモンスターグッズ公式通販サイト『ポケモンセンターオンライン』における一部商品や、日本国内で開催される一部の公式大会などの参加申し込みが対象で、スマートフォンでマイナンバーカードのICチップを読み取り、プレイヤーズクラブのアカウントを認証する方式を予定しているという。

 また、プライバシーに関しては「認証時には、カードに搭載されている『利用者証明用電子証明書』『券面事項入力補助』を用いた本人確認を行います。本施策において、弊社がお客様の『マイナンバー(個人番号)』を取得・保管することはございません」としている。

 運用開始は2026年8月頃を視野に検討を進めているとし、「(マイナンバーカードの)発行には、申請から交付まで通常1-2カ月程度の期間を要する場合がございます。今後、前述のサービスのご利用を検討されているお客様で、現在マイナンバーカードをお持ちでない場合は、お早めの発行手続きをお勧めいたします」としている。

 価格高騰による大量転売が社会問題となっているポケモンカード。転売対策との見方もある今回の発表について、ネット上では「ポケモン本気の転売対策に期待」「他のジャンルでも広がってほしい」と評価する声が上がる一方、「ポケカ買うためにマイナンバーカード発行しなきゃいけないの?」「外国人は一律で購入禁止?」といった疑問の声も寄せられている。

 今回の株式会社ポケモンの発表について、転売問題に詳しい経営コンサルタントの諸勝文氏は「極端な買い占め行為は減ると思うが、転売問題の抜本的な解決につながるかは疑問」と見解を語る。

「マイナンバーカードを使った転売対策はコンサートチケットなどでも導入されており、今回はそれを踏襲したものかと思われます。ただ、今回の発表によると、あくまでも購入の際の本人確認にマイナンバーカードを用いるだけで、マイナンバーの取得・保管もしないことから、ポケモンカード1枚1枚と本人が紐づけられるわけではありません。この点は購入者と来場者を紐づけるチケットとは本質的に異なります。カードの購入に制限を設ける効果は期待できる一方、転売行為自体を防ぐものではないと言えるでしょう」

 対象となる商品の購入や公式大会などのイベント参加には、マイナンバーカードとスマートフォンが必要となることから、従来のターゲットである子どもたちの参加にもハードルが残るという。

「マイナンバーカードもスマートフォンも、小学生への普及率はまだそこまで高くはありません。親のスマホやマイナンバーを借りれば購入できるのかもしれませんが、それでは代理購入とどう違うのかという疑問も残ります」

 転売行為を全面的になくす方向へかじを切れないのは、トレーディングカードゲームという商品の性質も深く関係している。対戦だけでなく、その名の通り、他人とトレードしてコレクションすることを目的の1つとした商品である以上、トレード自体を禁止にできないという事情があるためだ。

 その点、ポケモンカードは対戦においては同一のカードでも、カードの絵柄によって「レア度(希少性)」が分かれており、プレイヤーとコレクターのすみ分けを図るための施策を行っている。対戦に必要なカード自体は、子どもでも容易に入手が可能な設計となっているのだ。

「もし、本気で転売を撲滅したいのであれば、印刷物に過ぎないカードを大量に刷って、誰でも手に入る環境にすればいいだけ。あるいは、価格をつり上げている鑑定マーケットに、公式であるポケモン自らが参入することも可能です。そうまでしないのは、ポケモンとしても、ある程度セカンダリー(二次流通)市場を意識しているから。子どもたちが遊べる環境が整えられていて、マーケットが拡大し続け、大人になっても高額カードの売買やコレクションを楽しめるという仕組みは、ポケモンというコンテンツを長く楽しむための非常によくできた設計になっている」

 今回のマイナンバーカードによる本人確認の導入も、転売行為そのものではなく、社会問題となっている購入時の混乱を防ぐという目的に限れば、非常に効果的だと諸氏。世界的コンテンツ、ポケモンが取り組む独自の販売方法がどんな効果を示すのか、注目だ。

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