【DEEP】薬学生・山吹マリンが見せたクレバーな試合運び バック取られるピンチでパウンドを選択したワケ

格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 53」が24日、行われた。第1試合のアマチュア戦では、“薬学生ファイター”山吹マリン(23=和術慧舟會akza)が谷山心優に判定勝ちを収めた。試合後のENCOUNTのインタビューでは、冷静な一面をのぞかせた。

アマチュア4連勝を飾った山吹マリン(右)【写真:DEEP事務局】
アマチュア4連勝を飾った山吹マリン(右)【写真:DEEP事務局】

目標は薬剤師と格闘技の両立「DEEP JEWELSのプロになってどんどん勝って上に」

 格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 53」が24日、行われた。第1試合のアマチュア戦では、“薬学生ファイター”山吹マリン(23=和術慧舟會akza)が谷山心優に判定勝ちを収めた。試合後のENCOUNTのインタビューでは、冷静な一面をのぞかせた。

 昨年10月には練習中に脛を折る大けがを負ったが、RIZINのリングドクターを務める医師の手術を受け、今年2月にわずか4か月でケージ復帰を果たした。実はこのとき、まだ完治していなかったという。

「骨が折れて、外側はくっついていたのですが、中がまだ埋まっていなかったんです。医師から『折れる心配はない』と言われていたんですけど、蹴りはどうしても出せませんでした」

 あれから3か月、脛は完治した。コンディションは良好だったが、1R目早々にピンチが訪れる。山吹はタックルに入ったところで逆にバックを奪われ、リアネイキッドチョークをセットされた。周囲から極まるかと思われる場面だったが、本人は「ちょうど練習でやった展開で『これは取られないな』って思っていました」と冷静に振り返る。

 さらに、エスケープだけではなく、次の展開も頭の中では考えていたと明かした。

「2Rの試合だったので、このままだと判定にいったときに動いていないと完全に取られちゃうなと考えていました。ポジションを変えるのは時間的にも厳しいと思ったので、ジャッジへの印象的にも(後ろにつかれながらも)パウンドを選びました」

 このパウンドが正確で重たかった。打ちにくい姿勢にもかかわらず、山吹の拳は美しい弧を描くような軌道で谷山の顔面を捉える。石が当たったかのような鈍い音が何度か響くと、谷山の鼻からは血が流れ出ていた。

 練習したことをそのまま試合に出せる器用な選手は多くはない。この日の山吹はセコンドの指示を聞き逃さず、その通りに動いて試合を優位に進めていった。しかし、本人の中では練習とは違う感覚があったという。

「練習だと、どんどんフィニッシュを狙いに行けるのに……。マウントを取ってから、練習だとほぼ返されない。でも今日は返されちゃったり……全然練習通りいかなかったな、と思ってます」

 格闘技の話をしているとは思えないほど、穏やかな声で話す。試合のときは別人になるのかと問うと、それも違っていた。逆にできるだけ「無」の状態を目指していると明かす。

「練習をさんざんやってきているので、試合の時は感情的にならないようにしていて。例えば相手に打撃をもらって『こんにゃろー』って思っちゃうと、練習してきたことを出せずに荒々しくなっちゃう。ずっとやってきたことを出すために、無、冷静にってことは意識しています」

「美人ファイター」と注目を集めているが、実力も本物。今回の勝利でアマチュア4連勝、ネット上でもプロ昇格を待望する声が高まっている。大学卒業後は、薬剤師として薬局に勤務することが決まっているが、目標は仕事と格闘技の両立、「DEEP JEWELSのプロになってどんどん勝って上に行くこと」だ。

「戦う薬剤師になって頑張りたい」と最後はにっこりと柔らかな笑顔を見せた。確かな知性と冷静さを武器にケージで躍動する山吹に今後も注目だ。

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