49歳で妊娠の女優・小松みゆきが語る不妊治療の厳しい現状とそれでも妊娠できた理由

9月に「妊娠5か月半」と発表し、49歳と超高齢での妊娠が大きな反響を呼んだ女優・小松みゆきさん。菅義偉新首相が不妊治療の保険適用を打ち出した直後だっただけに、大きな注目を集めている。長年、不妊治療を受けてきた小松さんに、不妊治療の実際、なぜ妊娠できたのかなど、当事者ならではの話を聞いた。

7年の不妊治療のすえ妊娠した小松みゆきさん【写真:荒川祐史】
7年の不妊治療のすえ妊娠した小松みゆきさん【写真:荒川祐史】

誤解しないで! 自然妊娠したわけではありません

 9月に「妊娠5か月半」と発表し、49歳と超高齢での妊娠が大きな反響を呼んだ女優・小松みゆきさん。菅義偉新首相が不妊治療の保険適用を打ち出した直後だっただけに、大きな注目を集めている。長年、不妊治療を受けてきた小松さんに、不妊治療の実際、なぜ妊娠できたのかなど、当事者ならではの話を聞いた。

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 ブログで妊娠を発表した時、まさかニュースになるとは思わずビックリしました。ただ、誤解しないでいただきたいのは、私は49歳で妊娠しましたが、顕微授精による受精卵で45歳の頃に凍結しておいたものです。だから、49歳の卵子で妊娠したわけではないし、自然妊娠でもありません。「49歳でも普通に妊娠できるんだ!」と誤解しないでいただきたいんです。

口コミを頼りに治療を受けいたずらに時間とお金がかかっている

 ちょうど菅首相が不妊治療の保険適用を打ち出したタイミングだったこともあって、私の妊娠が注目されました。菅首相の方針に沿って、今、厚生労働省は不妊治療を行っている専門医にヒアリングを行っているようです。今後、不妊治療の経験者や今、実際に受けている人の意見も聞く予定だそうですが、ぜひ私たちのような経験者の意見をしっかりと受け止めていただきたいと思います。

 現在の不妊治療は、どこの病院に行けばどれだけの新しい治療が受けられるかよく分からず、多くの人が自分で勉強し口コミを頼りに病院を転々として、いたずらに時間とお金がかかってしまっているような状況です。もう妊娠はほぼ無理なのに、それを患者に知らせずに治療を続けている病院もあると感じました。

42歳から治療を始め約1000万円かかった

 私が不妊治療を始めたのは42歳の頃でした。38歳で結婚したのですが子どもに恵まれず、タイミング法(排卵日に性交のタイミングを指導する方法)から始めて人工授精(精子を妊娠しやすい時期に子宮内に注入する方法)、体外受精(精子と卵子を取り出し体外で受精させ受精卵を子宮へ戻す方法)へと、多くの人がたどる不妊治療の道をたどってきました。でも、42歳という年齢でタイミング法から始める、というのは無駄な時間だったと思います。

 若い人でしたら、タイミング法からでいいと思いますが、若くなく、病気による不妊でなければ、まず妊娠が可能なのか見極める検査をするべき、と私は考えます。女性は血液検査やエコー検査、卵管造影検査や子宮鏡検査など多岐に渡りますが、男性は精液検査のみです。不妊治療をそれらの検査から始めるだけでも、結果的にお金と時間の節約になるのではないかと思います。

 私の場合は不妊治療を始めてから妊娠するまで7年かかり、その間、顕微授精を14回以上受けて、かかった費用は1000万円ほどになりました。病院や治療内容によっては、もっとかかっている人もいます。本当に不妊治療は高額だと思います。私は主人の協力もあったからこそ、今まで続けることができたと思います。主人には感謝しかありません。

次のページへ (2/4) 諦める寸前に受けた検査が功を奏した!
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