【人気TikToker直撃第3弾】ひきこもりの過去、即興アカペラに込めた「大人は楽しいぞ」

自分の居場所を見つけてくれたファンに感謝と語ったうじたまい【写真:石丸敦章】
自分の居場所を見つけてくれたファンに感謝と語ったうじたまい【写真:石丸敦章】

自分の居場所を見つけてくれたファンに感謝「すっごくうれしかった」

 即興アカペラの15秒の動画投稿で伝えられた《大人は楽しいぞ》という前向きなこの曲。始まりは全体像も見えてず、未完成のままだったという。後にフルバージョンが配信リリースされると、同曲は瞬く間にTikTok内で広がりを見せ、TikTok発のシンガー・まつりやWHITEBOXを筆頭にオーディションで選ばれた7組のアーティストによるカバーアルバムが誕生するほどに。

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「投稿した時はメッセージが強い歌詞なので、それを見て助けられたって言う女の子もいました。その子が動画で歌詞を変えて、“この歌のおかげで学校に行けるようになりました!”って言うのを公式のアカウントに知らせてくれて。その時は、すっごくうれしかったですね」

 彼女の音楽で自分の居場所を見つけたファンも多そうだ。しかし、今でこそ精力的に音楽活動をしている彼女だが、アーティストとしての自身の居場所はどのようにして見いだしたのだろうか。

「中学のお友達から誘われて、まだ軽音部って言葉すら知らなかった時に軽音部に入って、音楽の魅力に気付きました。自分の歌を好きって言ってくれる人も増えて、それが今の自信にもつながっていますね。当時はベースをやっていたんですけど、人見知りが改善される途中で。ギターは前に出過ぎているのでヤダなって思ったんです。そんな時に先輩がベースを弾いてるのを見て、ベースって縁の下の力持ちですごくカッコいいなって思えてベースにしました」

 人見知りは軽音部で少しずつ改良されていったという。

「音楽のために学校へ行ってましたね(笑)。周囲からも当時は人見知りだと思われてたんですけど、ステージに立つと人が変わるんです。堂々とできるところがあって、それを周りにも言われ始めました。今思えば、ステージに立っている時と日常の差が無くなったのかなって思います」

 後に彼女はベースボーカルとして活動していくことになる。

「すごく不思議な学校でボーカルはオーデイション形式で、課題曲に合う人を選ぶスタイルだったんです。なので、洋楽を歌った時は歌えない時もあったんですけど、ある曲を歌った時に“すごいじゃん!”って言われて。歌うことは好きだけど、人に“これが好きだ!”って言い切れるタイプでもなかったのが変わりましたね。それまでは、ちゃんと人前で歌ったことはなかったんですけど、そこからベースボーカルとして歌うようになりました」

 ニコニコ動画も好きでアニソンやボカロ曲もよく聞いていたそうだ。

「アニソンが好きで、憧れはLiSAさんですね。サウンド的にはPerfumeさんが好きでした。TVアニメ『けいおん!』を声優さんの真似をして歌ったり、ボカロ曲をメインに聞いていたのでsupercellさんも聞いていました」

 そんな彼女は「もう1つ何か秀でた特技があれば」と、声優シンガーに憧れて専門学校へ進み、声優業界の門を叩く。

「当時は専門学校に入って勉強して、事務所に所属して地道に頑張る夢を見てたんですけど、実際やってみたら声優業界って想像以上に厳しかったんです。事務所に入るとSNSが禁止だったり、個人での活動も制限されていて。自分は“自己表現をしたい”というのが根本にあったので、ちょっと違うなと感じて今はこうして活動をしています」

 SNSでの活動が功を奏し、彼女の才能は瞬く間に開花していった。そこで、現在所属している音楽レーベル・Star Music Entertainment Inc.との出会いもあった。そこからシンガーとしての彼女の活動も本格化した。

「TikTokの方に“もし良かったら紹介したい方がいるんですけど”って声をかけてもらいました。後々聞いたら、Star Music Entertainment Inc.の方が、TikTokで人気のハッシュタグ“♯歌うま”から私を見つけてくれたみたいで」

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