武田真治、24年ぶりのソロアルバムを聞いた妻は好印象「安心しました(笑)」

憧れのテナー奏者・藤井尚之を絶賛する武田
憧れのテナー奏者・藤井尚之を絶賛する武田

アルバムの聞きどころを自ら解説

――アルバムタイトル「BREATH OF LIFE」は“生きるための大切なもの”という意味が込められているとお聞きしました。まさにさまざまな種類のサックスを吹いて、武田さんが命を吹き込んだ個性的な楽曲です。そこで今回は、アルバムの楽曲を通して、サックスの面白さや聞きどころを武田さんに語っていただきたいのですが?

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「分かりました。ではアルトサックスからいきましょう。アルトの演奏でじっくり聞いてもらいたいのは、2曲目の『The Hitman』ですね」

――スリル満点のゴージャスな曲です。

「ありがとうございます。現状の最終形は『ルパン三世』みたいなビッグバンドジャズサウンドですが、最初はドラム・ベース・ピアノというシンプルな編成でレコーディングを終えていました。自粛期間中に、自宅スタジオでどんどん音を重ねていってスケールの大きな曲になりましたね。実はここで吹いているアルトサックスのメロディーは、運指表の音域以上の音、つまり普段使われない音域を出しているです。このテンポで演奏しようとすると、体力的にもタフですし、この音域自体なかなか出せる人はいないらしいので…というと、全国のアルトサックスプレイヤーに挑戦状を叩きつけているみたい?(笑) でも、実際演奏は難しいはずですよ」

――武田真治の肉体とテクニックのなせる技ですよね。次はテナーサックスを堪能できる曲をお願いします。

「4曲目の『Hands Up!! ~Are you gonna be as One?~』と10曲目の『Steppin’ Wolf』です。『Hands Up!!』のイントロで聞こえてくるテナーのメロディーは、僕にとって、まさに“こういう音こそが、テナーサックス”という、この年齢になってようやくそんな音を出せるようになってきたかなって。イメージはやっぱり、テナープレーヤーとして僕が最も敬愛する藤井尚之さんの音です。」

――武田さんから見たテナー奏者・藤井尚之さんの特徴は?

「何と言っても響きの格好良さですね。今回10曲目の『Steppin’ Wolf』で、尚之さんにテナーを演奏してもらったのですが、絶妙な力加減で楽器の一番響きの良いところを鳴らしていて、“これぞテナー”というロックンロール・フレーズをキメていただきました。僕がサックスを始めるきっかけとなった憧れの人に自分の作った曲を吹いてもらうのは、本当に想像を超える感動がありました」

――次はバリトンサックスを堪能できる曲を紹介してください。

「バリトンサックスはメインのメロディーにグルーヴを持たせるために使っていて、僕の場合入れすぎるとグルーヴ感が出なかったりするので、割と音の引き算をしながら入れていきました。アクセントとかボトムを支えるハーモニーとしてアルバムの半分位にバリトンを入れています。1番聞きやすいのは『Monkey Panic』かな。イントロから主旋律のAメロに入るまでのバンプ部分やサビにバリトンを入れて、『Steppin’ Wolf』でもバリトンを重ねていますね。そしてもう1つ、ソプラノサックスをメインで吹いている曲がありまして、それは11曲目の『Deep Breath』ですね」

――ありがとうございます。サックスに注目しながら聞くと今まで気付かなかった面白さを発見できますね。そして今回歌モノが1曲入っています。5曲目の「Wonderland Tonight feat. Shiho」は、親交のある元Fried PrideのShihoさんがボーカルを取っていて、武田さんが作詞を担当されています。

「はい。この5年くらい、Shihoちゃんと演奏する機会が多くなって、彼女のキャラクターや圧倒的な歌声、お客さんと僕らが一体になっていくあの空間、そんな煌びやかな時間を楽曲に閉じ込めたいと思って作りました。作ったのは自粛前だったんですが、結果的に『何かを乗り越えてまた楽しい時間を一緒に過ごしましょう』という今につながるメッセージソングになっていて、感慨深いです」

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