藤井聡太七段の偉業達成の棋聖戦を総括! 真田圭一八段が分析する藤井新棋聖強さの秘密

第3局は渡辺三冠が妙手連発で一矢報いた

 さて、出だしいきなり藤井連勝。あっという間にタイトル獲得に王手がかかりました。さすがに渡辺三冠にも誰一人者としての意地があります。このまま次も負けてストレート負けでタイトルを失うわけにはいかない。相当な覚悟と準備で第3局に臨んだものと思われます。

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 そして第3局も熱戦、死闘になりました。相当に難解な展開の中で、渡辺三冠が検討陣の予想にない妙手を連発。ギリギリながら一局を通して渡辺ペースでの制勝。

 ただ、敗れはしましたが、私が見てて感じたことはここまでしなければ藤井七段には勝てないのか、ということです。彼に勝つには最大限うまく指し回して、それでもギリギリの展開の中でしか勝てない。それをクリアして1勝を返した渡辺三冠はさすがです。

 藤井2勝、渡辺1勝で迎えた第4局。藤井サイドから見れば残り2局で1勝すればいいので余裕があるようでも、そう簡単ではないのが勝負の世界。実は相手の渡辺三冠は、以前永世七冠の資格がかかった羽生善治九段を相手に三連敗から四連勝という離れ業をやってみせた棋士。今回も最年少タイトル獲得記録更新がかかった藤井七段が相手。相手が注目されればされるほど燃えるタイプの渡辺三冠は、当然二連敗後の三連勝を狙っていたはずです。

次のページへ (4/4) 熱戦の第4局
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