藤井聡太七段の偉業達成の棋聖戦を総括! 真田圭一八段が分析する藤井新棋聖強さの秘密

第2局は中盤でプロには指しにくい異筋の手で勝利

 第2局は中盤で△5四金というプロには指しにくい異筋の手を指して藤井完勝。全く渡辺三冠に粘る余地を与えない切れ味でした。実は、若くて強い棋士は一般的にこのような「切れ味」が最大の武器であることが普通です。

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 藤井七段の凄い点は、切れ味を持っているのは当然のこととして、切れ味を発揮できない難解な展開になった時に悪手を指さない技術を持っている点なのです。この技術はデビュー時には既にほぼ完成形として身についていて、いきなり29連勝した時も、ほとんどの対局で一局の中で不利な局面が生じていなかったのです。

 そして少しでもリードを奪えば決してその差は詰めさせない。プロとして極めて理想的な能力ですが、それぐらいでなければプロ入り4年、弱冠17才の若手棋士が、全盛期を迎えている三冠王に勝てるはずはないのです。

次のページへ (3/4) 第3局振り返り
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