RIZIN笹原広報を直撃 資金調達騒動と「差し出がましいようですが」発言の真相

格闘技を愛する情熱家
格闘技を愛する情熱家

ディズニーランドと同じ「夢を売る仕事」だが…

――なるほど。

笹原 例えばディズニーランドがクラファンをやらないじゃないですか。

――確かに。

笹原 それは夢を売る仕事をしているからってこともあるんだと思うんです。もちろん我々と違って経営母体がむちゃくちゃ安定しているからっていうのはありますよ(笑)。

――ええ。

笹原 でも、たまにニュースとかで、実は労働環境が…みたいなことが報道されたりすると、ファンからすると聞きたくないというか、現実に引き戻されるような感じがあると思うんです。

――「ミッキーマウスの中の人」って言われると複雑な心境になります。

笹原 それと同じで、僕らも夢を売る商売だと思うので、実情はこうなっていますって明かすのは、やっぱりためらいがあるというか。

――榊原CEOはツイッターで「今でも葛藤だらけです」とつぶやいていました。

笹原 それでも今回、クラファンの開設に踏み切ったのは、それだけカッコつけていられないっていうぐらいの状況だったので、葛藤がありながらも始めたっていうことですよね。

――それでも先日は8試合のカードが発表されたわけだから、多少は気持ちを切り替えている感じですか?

笹原 いや、まだ全然ですね。

――全然!?

笹原 今、神奈川県や横浜市は感染者が増えている状況ですから、もし「イベントは中止してください」みたいな要請が入ったら従わざる得ないですよね。

――それはキツい。 

笹原 おそらく強制力はないので、選択肢としては3月にあったKー1みたいに強行開催をする手段はあるかとも思いますけど……まぁそれも相当無茶じゃないですか。世間的な流れがそうなってしまうと、中止せざるを得なくなるでしょうね、どこまで行っても。

――それこそ前日になってそういう要請がないとは言えない。

笹原 起こり得る話だと思いますね。「イベント開催は認めるけど、お客さんは入れずに」とかね。

――無観客なら認めると。

笹原 ええ。これがプロ野球やサッカーじゃないですけど、母体がしっかりしていれば。大相撲のように国がある程度はバックアップしてくれているとか経済的な部分で成立するジャンルなら週に1度はPCR検査をやります、みたいなことができるかもしれませんけど、格闘技は何もないですからね。

次のページへ (3/3) 綱渡りの格闘技界 無観客大会は「想像のつかない」
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