林真理子理事長は「愛がない」 続投に危機管理の専門家から厳しい声 「至らないなら辞任しなきゃ」

日大の林真理子理事長は4日に都内で開いた会見で、アメリカンフットボール部の薬物事件を受け、自身の辞任を否定した。引き続き日大の改革に意欲を示したが、具体的な中身は欠如。危機管理の専門家からは「全部が受け身」と、厳しい声が挙がっている。

会見を開いた林真理子理事長【写真:徳原隆元】
会見を開いた林真理子理事長【写真:徳原隆元】

アメフト部員3人が逮捕 不祥事に揺れる日大が会見

 日大の林真理子理事長は4日に都内で開いた会見で、アメリカンフットボール部の薬物事件を受け、自身の辞任を否定した。引き続き日大の改革に意欲を示したが、具体的な中身は欠如。危機管理の専門家からは「全部が受け身」と、厳しい声が挙がっている。

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 日大アメフト部は部員3人が逮捕され、4人目が書類送検されている。これを受け、林理事長は50%の減給処分となり、酒井健夫学長は来年3月末で辞任、澤田康広副学長は年内いっぱいで辞任することが決定している。

「私としては、処分の内容を重く受け止め、理事長としての至らなさを反省するとともに、今後、本学の学生、生徒、保護者、卒業生をはじめ、関係者の方々を失望させることのないよう、より一層気を引き締めて改革を成し遂げる責務を全うしてまいりたい」

 林理事長は、こう主張したが、会見では理事長の処分が甘いことや辞任の意思について厳しい質問が相次いだ。

 辞任については、「何度か考えたことはある」とも話したが、「いろいろなご指摘、ご意見あると思いますけど、第三者委員会の報告に基づき、理事会で審議されたこと。それで得た公正な判断だと考えている」と、前を向いた。

 アメフト部の存続については、文科省に提出した報告書で、林理事長名で廃部の方針を示しながら、その後の理事会では継続審議になるなど迷走している。また、最終決裁は規定により、辞任する酒井学長に委ねられる。理事会決定が覆る可能性もある状況だが、「学長のお考えはまだ聞いていません」と、まるで他人事。改善計画も具体性は見られず、不明瞭な発言が目立った。

 会見の様子を見ていた広報・危機管理コンサルタントの山見博康氏は、林理事長の資質そのものに疑問符が生じているとの見方を示す。

「自分の至らなさを認めているわけ。至らなさを反省するけど、改革を全うする。至らないなら辞任しなきゃ。林理事長は改革のために来た。処分は第三者委員会の報告書にあったからだとか、(薬物情報を)澤田副学長が言わなかったからだとか、全部が受け身。自分からヒアリングしていない。報告が上がってきても、指示していない。自分の言葉がないんです。これが辞任には値しないというのが全く分からない」と、厳しく指摘した。

 作家としての知名度はあっても、経営経験がないことはかねて不安視されていた。

「改革ができると本当に思っているのだろうか。組織を動かしたことはないんでしょう。しかも、学生は7万人もいる。この期に及んでまだ居残ろうかという林理事長の無責任さ。これを糾弾しない日大のOB」と、首をひねった。

 アメフト部については、廃部になった場合、残された学生や新入生についてどのようにケアしていくのかは大きな問題となる。

「説明がなかったので追及されていましたよね。あの人は愛がないんですよ。もっと丁寧に説明してから学生たちの行く末をしっかり見ますとか、そういう発言があってしかるべきだった」

 かつて日本バスケットボール協会の裁定委員長を務め、不祥事に揺れた全日本柔道連盟の改革に携わった山見氏は、「日大は社長がいっぱい出ている。ある程度、大きな組織を動かせる人が来ればいい」と、林理事長に代わって“改革案”を提示した。

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