新型コロナ感染者が語る発症からの経緯(前編) なぜ25歳独身男性は発症したのか

高橋さんが入院していた病室の様子【写真提供:高橋寛人さん】
高橋さんが入院していた病室の様子【写真提供:高橋寛人さん】

咳が出ていないのに肺炎を起こしていた

 翌16日になっても熱は下がらず、保健所に電話をすると、ようやく病院にかかってPCRを含めた検査を受けても良いとの許可がおりた。しかし、受け付けてくれる病院は、保健所にお任せだと「時間がかかるため、個人で探す方が早い」と言われ、自力で探すことに。フラフラの状態で病院に電話をかけ続け、4軒に断られ、5軒目でようやく受け付けてもらえた。

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「以前から大きな病院にかかって診察券を持っていれば、再診としての対応となり、もっと受け付けしてもらいやすかったのかもしれません。僕は初診だったので、結局、コロナだと伝えると病院の診察はほとんど拒否されてしまいました。唯一受け付けてくれた病院ではCTでの肺の検査をするという説明を受け向かったのですが、検査後に2時間ほど待たされた後、救急車で大病院へ搬送され、『入院になります』と言われました。両肺に影があり、肺炎を起こしていたそうです」

 高橋さんはコロナだけではなく、マイコプラズマにも感染していた。両肺に肺炎とはかなり危険な状態だ。しかし、高橋さんに息苦しさはなく、咳が出たのは熱が出た当初2日間だけで、受診時は出ていなかった。肺炎を起こしている自覚はなかったという。

コロナ陽性の診断でかえってホッとした

 大病院ではまず6人部屋に1人で隔離され、血液、尿、レントゲン、心電図、PCRと一通りの検査を受けた。陽性の結果が出たのは20日。入院初日からマイコプラズマ肺炎のための抗生剤を処方されたのが効いたのか、肺炎もその他の症状も入院2日でほとんどなくなっていた。

「変な話ですが、コロナ陽性とハッキリしたらホッとしました。1人で部屋で休んでいたときは、原因がわからずただただ不安でしたから。コロナを経験して一番つらかったのは、僕はどうなっちゃうんだろう、この先どうなるんだろう、という先の見えない不安だったと思います」

(後編に続く)

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