新型コロナ感染者が語る発症からの経緯(前編) なぜ25歳独身男性は発症したのか

新型コロナウイルスの全国の新規感染者数はピークを越えたとみられるが、減少幅が十分ではなく、緊急事態宣言は5月末まで延長された。感染におびえ、不安を抱いている人も多いだろう。新型コロナウイルスはまだ正体がつかめない。それが恐怖と不安を大きくする。感染したらどうなるのか。症状や経過は人によって差はあるだろうが、実際の感染者の話はおおいに参考になる。そこで、実際に感染した、都内に住む25歳の独身男性の高橋寛人さん(仮名)に詳しい話を聞いた。

両肺肺炎で急きょ大病院へ入院となった【写真提供:高橋寛人さん】
両肺肺炎で急きょ大病院へ入院となった【写真提供:高橋寛人さん】

高熱は一気に襲ってきた

 新型コロナウイルスの全国の新規感染者数はピークを越えたとみられるが、減少幅が十分ではなく、緊急事態宣言は5月末まで延長された。感染におびえ、不安を抱いている人も多いだろう。新型コロナウイルスはまだ正体がつかめない。それが恐怖と不安を大きくする。感染したらどうなるのか。症状や経過は人によって差はあるだろうが、実際の感染者の話はおおいに参考になる。そこで、実際に感染した、都内に住む25歳の独身男性の高橋寛人さん(仮名)に詳しい話を聞いた。

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 高橋さんは東京都心のマンションで1人暮らし。そこから近県の都市に電車通勤するサラリーマンだ。勤務は不規則でリモートでできる仕事ではなく、混雑する街中を通り満員電車に乗って通勤しながら、「コロナに感染しやしないか」と不安に思っていたという。

「だからマスクをつけて通勤し、帰宅後はうがい、アルコールでの手洗いは帰宅時必ずしていました。趣味で音楽をやっているのですが、クラブには3月頭あたりから行っていませんでした。食事は自炊もしくは家の近所の店で済ませていました。ただ、後で僕が知っただけでも、僕の住むマンションの近隣に僕以外に数人罹患者がいました。僕が具体的にどこでどう感染したかはわかりませんが、家の中以外はどこにいてもリスクがあったということだと思います」

 そんな高橋さんが発症したのは、7都府県に緊急事態宣言が出された4月7日の翌日の8日。前日から熱が37.3度出ていて、その日は会社が休みだったので1日、自宅で休んでいた。しかし、翌8日になると熱が39.0度に一気に上がり、ひどい頭痛と倦怠感、悪寒の症状があった。「これはコロナかも」と疑った高橋さんは、会社を休んで部屋でひたすら休み、セオリー通り4日間、様子をみた。しかし熱は下がらず、また4日目の12日には味覚嗅覚障害も発生し、保健所に電話をした。

40度超の熱でクラクラしながら病院探し

「4日目の11日が土曜日だったので、13日の月曜日に電話をしました。でも、12日にいったん熱が少し下がったので、そのことを告げたら、『熱が再度4日間続くまで様子をみてください』と言われ、またそのまま家で休んでいました。休むといっても、39度以上熱が出ると食事はとれず、身体はフラフラで、水を飲んでただ横になっていることしかできませんでした。とにかく体力が奪われます。なので、今、ちょっと具合が悪いという人は、もしもの時に備えて、普段以上にしっかり食べて体力をつけておくといいと思います」

 飲み物は遠方の実家が送ってくれたという。

 水しか飲めない状態は1週間ほど続いていた。15日になると、熱が一気に41.7度へ急上昇。「体温計が壊れたのか?」と思ったが、クラクラして、まっすぐに立つこともできなかった。たまたま部屋にあった解熱剤のカロナールを飲み、救急車を要請。しかし、「コロナが疑われるのでしたら、病院を探してもなかなか受け入れてくれません。薬の効果が出るかもしれないので様子を見て、明日熱が高いようでしたら保健所に再度問い合わせてください」と言われ、その日は病院にかかることを断念した。熱は一度36度台まで薬の影響で下がったが、2時間程度でまた38度を超えた。

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