【麒麟がくる】川口春奈に魅せられて ”マムシの娘”帰蝶は信長を天下人に導けるのか

現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。主人公・明智光秀を中心に、天下をめぐって戦国の世を駆け抜けた英傑たちの姿が描かれる正統派大河だ。治平を求めてもがいた光秀、そして彼を取り巻く多くの人々を大胆かつフレッシュに描写している。名優たちの競演の中で、時代劇初挑戦ながら存在感を発揮しているのが帰蝶役・川口春奈だ。

第15回(26日)では、信秀の弟・信光(木下ほうか)を唆し、信長の失脚を狙う彦五郎(梅垣義明)を暗殺させる(C)NHK
第15回(26日)では、信秀の弟・信光(木下ほうか)を唆し、信長の失脚を狙う彦五郎(梅垣義明)を暗殺させる(C)NHK

「賢く物事を考えて遂行していく」川口春奈が帰蝶の印象を語る

 現在放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。主人公・明智光秀を中心に、天下をめぐって戦国の世を駆け抜けた英傑たちの姿が描かれる正統派大河だ。治平を求めてもがいた光秀、そして彼を取り巻く多くの人々を大胆かつフレッシュに描写している。名優たちの競演の中で、時代劇初挑戦ながら存在感を発揮しているのが帰蝶役・川口春奈だ。

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「麒麟がくる」では光秀の盟友にして最大の敵・織田信長に染谷将太を起用。これまで数々の名俳優が演じてきた信長のイメージをがらりと変える”うつけものの若君”を支えるのが、美しく聡明な妻・帰蝶だ。油売りだった父と共に親子二代で美濃の守護代までのしあがり、”マムシ”と恐れられた斎藤道三の娘である帰蝶は、政略結婚で尾張に移ると、父譲りの政治力を発揮。まだ若く、愛情に飢え、底知れぬ野心をはらんだ信長を鼓舞する。第13回「帰蝶のはかりごと」(4月13日放送)では、伊呂波太夫を使い聖徳寺の会見に向かう信長に数百の兵を用意。信長の父・信秀も戦の際に重用したという伊呂波太夫の元に向かった帰蝶が、砂金の入った小袋を足元に落としていきながら、最後に「手付けじゃ」と言いながら砂金を床にサラサラとこぼすシーンでは、そのワルい表情に釘付けになった視聴者も多かっただろう。

 帰蝶を演じる川口は大河初挑戦。時代劇も初めてだという。2月に行われたインタビューでは、「着物を着て、かつらをかぶってお芝居することもはじめは大変でした。今でも慣れているのか分からないところですが、全てが新鮮です。大河ドラマはセット1つにしても、ロケ1つにしてもものすごいスケール。たくさんの方が関わっているなと日々実感しています」と感慨深そうに語っていたのが印象的だった。

 帰蝶は光秀に思いを寄せながらもかなわず、尾張に嫁ぎ”うつけ”と呼ばれる信長の妻に。いきなり祝言をすっぽかされるも、信長のパーソナルな部分に触れるうちに徐々にとりこになっていく。「突拍子もないことを言ったりして、『なんだ、この人』と最初は思っていますが、信長の育ってきた環境や、お母さん(土田御前)との関係性について聞いていると、すごく切ない。帰蝶と通じるものもあるのかなと思います。(信長は)いつもへらへらしているけど、やることは大胆で、面白い人だなと。そこにのめり込んで、ひかれていくのかなと思います」と川口。

 父・道三を誰よりも近くで見て育った帰蝶は、その聡明さと行動力で次々と信長の政を成功に導く策士ぶりを開花させていく。川口は道三について「怖いんです。ものすごい威圧感と、オーラと、見透かされるような目。そこにいるだけで、自分も動かされてしまうような」と話す。美濃のお姫様から、信長の正室となった帰蝶は「常に考え、たくらみを持ちながら、賢く物事を考えて遂行していくイメージがある。そこを意識している」と川口が言うように、巧みに人々を動かしていく。

 信長は、聖徳時の会見で対面した道三に「自分は帰蝶の手の上で踊る尾張一のたわけだ」と胸を張る。そんな信長はやがて戦乱の世をのぼりつめ、そして本能寺で討たれる。幾度も描かれてきた不変の事実だ。「麒麟がくる」では、川口帰蝶を通して見る信長を新鮮な気持ちで楽しみたい。

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