池田エライザが体を張った演技で怒りのドロンジョを表現「血管が切れそうなくらい大変だった」

話題の「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」がいよいよ7日(金)から放送・配信される。「タイムボカンシリーズ・ヤッターマン」の悪役ドロンジョがドロンボー一味を結成する前の若き日を描いた物語。のちにドロンジョとなる主人公・泥川七音(どろかわ・なお)を演じるのは女優で歌手の池田エライザ。貧しく過酷な環境下で次々と巻き起こる悲劇。そんな絶望の淵に立たされた主人公にどう向き合っていったのか。作品の見どころとあわせて池田に聞いた。

池田エライザ【写真:舛元清香、ヘアメイク:RYO、スタイリスト:福田春美】
池田エライザ【写真:舛元清香、ヘアメイク:RYO、スタイリスト:福田春美】

池田エライザが真正面から向き合ったDORONJOの生々しい素顔

 話題の「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」がいよいよ7日(金)から放送・配信される。「タイムボカンシリーズ・ヤッターマン」の悪役ドロンジョがドロンボー一味を結成する前の若き日を描いた物語。のちにドロンジョとなる主人公・泥川七音(どろかわ・なお)を演じるのは女優で歌手の池田エライザ。貧しく過酷な環境下で次々と巻き起こる悲劇。そんな絶望の淵に立たされた主人公にどう向き合っていったのか。作品の見どころとあわせて池田に聞いた。(取材・文=福嶋剛)

「みなさんが知っているドロンジョの物語ですが、すごくダークな話もあるので、そういう意味ではヤッターマンのドロンジョとは違った新しい解釈だと思っていただきたいです」

 そう語った池田はこれまでには経験したことがない役に挑戦した。自分ではどうすることもできない理不尽さを抱えた主人公・泥川七音。幼いころに親に捨てられ、ボクシングジムを営む伯父のもと、貧しく過酷な環境下でアマチュアボクシングの日本代表を目指していた。ドラマの見どころの1つがそんなアクションシーンだ。

「ボクシングの練習も本番の撮影もすごくハードでした。ボクサーを演じるために、ひたすら基礎の繰り返しで、体が順応するまで時間が掛かりましたけど、信じられないぐらいボクシングに夢中でした。物語が進むにつれてボクシングだけじゃないアクションシーンもどんどん出てきて、ワイヤーを使わない泥臭いアクションなので殴り合いもヒリヒリしていますし、楽しみにしていただきたいです」

 絶望のどん底に生きる七音。池田は主人公について次のように語った。

「生きていると路頭に迷ったり、時にはどん底に落とされてしまうことだってあると思うんです。でもそう簡単に前に踏み出すことができなかったり、自分に正直になれなくて見て見ぬふりをして通り過ぎたりすることだってあったかもしれない。七音はそんな人たちの代弁者というか、絶望の淵から立ち上がる姿を見せてくれるダークヒロインという印象を持ちました」

 本作で見せる瞳の奥の怒りや悲しみ……七音という役をどのように演じていったのか?

「七音には嘘がなく、回りくどさもなくて自分の感情にストレートな人物なので、役作りという役作りもなかったんです。だから私は台本に書いてある七音がやりたいことを体現してあげられるようにすることが最大の役作りかなって思いました。たとえばフィジカル的に鍛えあげるとか、怒りは怒りのまま表現してあげるとか。私自身は怒ると泣いちゃうタイプなので、七音の怒りを表現するときは本当に血管が切れそうなくらい大変でした(笑)」

 七音を演じてみて共感するところを聞くと「ない!」ときっぱりと答えた。

「そう易々と共感できるような彼女の人生じゃないですから。きっと七音も同情されたり分かったふりをされるのが一番嫌だと思います。それが分かるから余計に自分と重ね合わせたりすることはしませんでした。冷静に客観的に七音を見つめて『やりたいことをやりなさい』って、そんな気持ちで七音と向き合っていました」

 向き合ってみて七音から感じたものは何だったのか?

「その答えは、やっぱりカッコいいなって。どんなに絶望的なことがあっても、砕けない心で生きるという選択ができる人。それがなによりカッコいいし、そこからあがいてあがいて自分の正義を貫いていく行動力、その純粋さみたいなところに魅力を感じました。七音自身はダークヒロインのつもりはないと思います。世の中に存在する正義に対して『おかしいだろ!』って疑問を持っていて己の正義を貫いている。それこそがダークヒロインだと思うんです」

話が進むにつれてカッコよくなるドロンジョに注目してほしいと話した【写真:舛元清香、ヘアメイク:RYO、スタイリスト:福田春美】
話が進むにつれてカッコよくなるドロンジョに注目してほしいと話した【写真:舛元清香、ヘアメイク:RYO、スタイリスト:福田春美】

「私ってあまり抱え込まないタイプなんです」

 今回はとても重たい役柄だが撮影が終わってからも役を引きずることはなかったのかとたずねると「ぜんぜん!」とケロッとした様子で質問を一蹴した。

「もちろん撮影前はかなり集中しますけど、OKが出たら『ふう、疲れた。じゃあお菓子食ーべよ!』って(笑)。みんなと仲良く話をしています」

 もしも七音のような場面にぶち当たったらどうするか? 少し間を置いて答えた。

「私ってあまり抱え込まないタイプなんです。というのは落ち込んでしまうと次にどう行動したら良いのか判断が鈍ってしまうので落ち込む前にどうしたら良いのかってあらかじめ考えて行動するタイプなんです。そういう信号をキャッチするのが鋭いんですよ」

 ボクシングに掛けて「今、思い切りパンチしたい人は?」と聞いてみると笑顔を見せながら「えー-? 私ってめったに怒ったりしないんです」と答え、続けて「パンチは遠慮しておきます(笑)。ボクシングをやってみると自分の拳にもダメージがあるから殴る側も痛いんですよ」と話した。

 最後に作品を楽しみにしている人たちに池田ならではの言葉でメッセージを伝えた。

「そうだな……絶望的な展開のようで実は生きるエネルギーとか希望をすごく感じていただける作品になっていると思います。最初の3話ぐらいまでは七音の生い立ちを描いているので、ちょっとハードなストーリーなんですが、そこからはどんどんカッコいい姿が出てくるので楽しみに見てほしいです。それと『現実の世界では法律を守りましょうね』って忘れずに伝えたいです。あくまで『DORONJO/ドロンジョ』はフィクションですから」

□池田エライザ 1996年4月16日、福岡県出身。女優、映画監督、モデル、カメラマン、シンガーなど、さまざまなクリエーターの顔を持つ。アーティストとしても22年6月にファーストアルバム「失楽園」でメジャーデビュー。

○公式HP
https://www.evergreen-e.com/profile/?pid=ikeda_eraiza
○インスタグラム
https://www.instagram.com/elaiza_ikd/

タツノコプロ創立60周年記念「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」
初回放送:2022年10月7日(金)午後11時~
番組HP:https://www.wowow.co.jp/drama/original/doronjo/

第1話無料放送【WOWOWプライム】/無料トライアル実施中【WOWOWオンデマンド】
出演:池田エライザ
山崎紘菜 矢本悠馬 金子大地 一ノ瀬ワタル 田中俊介 平山祐介 霧島れいか 近藤芳正 高橋和也 古田新太

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