かもめんたる・岩崎う大、漫才への“苦手意識と憧れ” M-1ラストイヤーに挑む理由

お笑い芸人のみならず舞台演出など活躍の場を広げるお笑いコンビ「かもめんたる」の岩崎う大が、22日からフジテレビで3夜連続で放送されるオムニバスドラマ「脚本芸人」で脚本を務める。そんな岩崎に脚本を書くうえでの心構えやお笑いへの思いを聞いた。

脚本への意識を明かした岩崎う大【写真:ENCOUNT編集部】
脚本への意識を明かした岩崎う大【写真:ENCOUNT編集部】

変化した漫才への“苦手意識”「自分ではないものを持った人間を演じる」

 お笑い芸人のみならず舞台演出など活躍の場を広げるお笑いコンビ「かもめんたる」の岩崎う大が、22日からフジテレビで3夜連続で放送されるオムニバスドラマ「脚本芸人」で脚本を務める。そんな岩崎に脚本を書くうえでの心構えやお笑いへの思いを聞いた。(取材・文=中村彰洋)

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「脚本芸人」は第1夜を吉住、第2夜を水川かたまり(空気階段)、そして第3夜を岩崎が務めるという実力派コント師が勢ぞろいで脚本をリレー形式で作成する新たな試みだ。そんな新ジャンルへの挑戦となるが、オファーを受けた岩崎は率直な感想を口にする。

「今までありそうでなかった企画だなと思いました。『どんな感じになるのかな?』と思ったら、制作の方も熱意を持ってお話を進めてくださっていたので、『本当に実現するんだ!』って。それからかたまりと吉住が決まっていって、これはすごい面白くなりそうだなと思いましたね」

 舞台作品を手掛けることもある岩崎だが、テレビドラマの脚本を作ることについてはまた違った意識を持っている。

「テレビは圧倒的にいろんな層の人が見るので、そこは舞台と全然違いますね。いろんな人が見る可能性があるので、分かりやすく、伝わりやすく、そして派手に、っていうのは意識しています」

 今回、岩崎脚本のパートでメインを演じるのは佐久間由衣と酒井若菜。キャスティングを知らぬままの脚本作りとなったが、「豪華メンバーがそろっていて、最初に聞いていなくてよかった」と笑う。

 普段は相方の槙尾ユウスケを想像しながらのコント作りとなるが、今回との違いも明かす。

「相方に書くときは舞台やコントなのでそういった単純な意味での違いはあります。でも他の人に書くときも、実はそんなに差はなく、どちらも一生懸命面白いものを書くってだけです。ただ相方のほうが慣れている分、想像がしやすかったり、こういうことはできないとか、そういったストッパーもあったりしますね。誰が演じるか分からない状態で本を書くっていうのはその点での良さや可能性も広がりますね」

コント師が漫才への苦手意識にも言及した【写真:ENCOUNT編集部】
コント師が漫才への苦手意識にも言及した【写真:ENCOUNT編集部】

M-1挑戦のきっかけは周囲の後押し「まだ出られるんだったら出てみたら?」

「キングオブコント2013」では王者に輝くなど、コント師として名をはせてきたかもめんたる。今年はラストイヤーとなる「M-1グランプリ」に力を入れている。かつては苦手意識があったという漫才だが、出場を決めたことには理由があった。

「明確なきっかけがあって、コント師に漫才をやらせる企画があったんです。そのときに周りからの評判が意外と良くて、『(M-1に)まだ出られるんだったら出てみたら?』って。漫才には憧れがあったんですけど、苦手意識があったんです。でも実際にやってみたら、演劇も漫才もコントも“台本”があって演じるという意味ではすごい近かったんです」

 一方で漫才でありながらもコントの世界観も生かしている。

「今やっているジャンルは“しゃべくり漫才”。演劇の中で自分に近いけれど、別人としていろんなゴタゴタを言ったりする役があるんです。漫才のときも自分に近いけど、決して自分ではないものを持った人間を演じる。そいつが“イカれた演説”をするみたいな感じだったら“しゃべくり漫才”のキャラクターとしても成り立つかなと思いました」

 そういった意識の変化で“苦手意識”もなくなっていった。「以前までは、漫才は自分でいなきゃいけないと思っていました。でも、『その自分ってなんなんだ』という話で、半分自分で半分自分じゃないものをステージ上でやっていればお客さんは自分として見る、みたいな意識でやっていますね」。

 今後は「連ドラとか映画はやりたいですね」と目指すものは大きい。まずは「脚本芸人」でどういった“オチ”を見せてくれるのか、期待したい。

□岩崎う大(いわさき・うだい)1978年9月18日、東京都出身。2007年、槙尾ユウスケと「かもめんたる」を結成。13年「キングオブコント2013」で王者に輝く。22年はとなる「M-1グランプリ」に出場予定。お笑いのみならずドラマ脚本や演劇も手掛け、6月22日から放送のフジテレビ3夜連続ドラマ「脚本芸人」を担当。7~8月には「パルコ・プロデュース2022『スルメが丘は花の匂い』」の脚本・演出を手掛ける。

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