【週末は女子プロレス#51】スターダム飯田沙耶、マッチョ化転機は木村花さんだった「ゴリラっぽくしてみたら?」

故・木村花さんのアドバイスで本格的な筋トレをはじめた飯田【写真:ENCOUNT編集部】
故・木村花さんのアドバイスで本格的な筋トレをはじめた飯田【写真:ENCOUNT編集部】

上半身の筋肉量は欠場前以上「筋肉を増量して、髪の色も変えて(笑)」

 飯田自身、昨年12月あたりの復帰を考えていた。が、医師からの許可は下りなかった。それでも今年に入ってから「NEW BLOOD1」でのカムバックは可能かと団体から聞かれ、それを目標に調整をおこなった。やがて医師の許可もおり、リング復帰が正式に決定した。

 しかしながら、1年弱の間にスターダムの様相は大きく様変わり。メンバーが増え、パワーファイターも多くなった。また、フューチャーのベルトを争っていたライバルや、防衛戦の相手が大きく成長。上谷は白いベルトの王者で、舞華は赤白両方のタイトルに挑戦している。上谷と舞華はともにビッグマッチのメインも張るようになっており、飯田は大きく水をあけられた状態だ。

「アッシがフューチャーで闘ってたのって何年前だっけみたいな感覚でしたね(苦笑)。数か月のはずが何年前かのごとくなってて。飯田を知らないファンも増えてるだろうし、アッシ、こんどスターダムに初参戦させていただきますみたいな感じでした。正直、戻ってくる前はスターダムのリングが怖かったっすよ」

 しかしながら、復帰戦ではケガの原因にもなったジャンピングダブルチョップをこなしてトラウマを克服。しかも、落ちたはずの筋肉も欠場前に引けを取らないくらい戻してきたように見えた。事実、下半身はまだこれからとのことだが、上半身の筋肉量は欠場前以上とのことである。

「個性の強いメンツがメチャクチャ増えてたので、以前のままだったら(存在感が)薄れると思ったので、しっかり戻してくるとの意識はありやしたね。いままでの飯田じゃない飯田を見せなきゃいけねえ。筋肉を増量して、髪の色も変えて(笑)」

 セルフプロデュースをより意識して復帰戦に臨んだという飯田だが、デビュー当初からいまのようなマッチョゴリさんではなかった。ではなぜ、彼女はムキムキでバッキバキの筋肉ファイターへの道を歩んだのだろうか。

「先輩レスラーから『ゴリラっぽくしてみたら?』というアドバイスをもらって、実際にしてみたらけっこうウケたんすよ。それでゴリラポーズやるようになったんすけど、その後、木村花さんから『(飯田は)いい筋肉してるよね。筋肉つきやすそうだからパーソナルトレーナー付けてみたら?』と言われて。それがきっかけっすね」

 道場での練習に加え、故・木村花さんのアドバイスで本格的な筋トレをはじめた飯田。みるみるうちに結果が出ると、トレーニングが楽しくなってきた。

「花さんのおかげでいまのキャラが成り立ちました。トレーニングの楽しさも知って、より力が入りましたね。筋肉をつけたことによってパフォーマンスも向上した気がしやす。いままでできなかったのに、筋肉のおかげでできることも増えたし。より力強く、メリハリつけていけるようになったかなと思いやすね」

 そして生まれたのが、「この筋肉とともに!」という決めゼリフだ。

「あれは、復帰を発表した『NEW BLOOD1』の会見(3月1日)で、パッと出てきたんすよ。それこそ降臨してきたって感じっすね。自分の筋肉キャラをどうにか生かしたい、筋肉だけではなく言葉でも生かしたいと思ってたところで、とっさに出たのがあの言葉。『この大会で飯田魂、大爆発、炸裂させますんで。この筋肉とともに!よろしくお願いします』」

 帰ってきた飯田が目指すのが、シングル王座戦線へのカムバックである。先を行く上谷や舞華、さらには防衛戦の相手だったウナギ・サヤカや琉悪夏に追いつき追い越すためにも、5★STAR GPで結果を出すことが求められる。

「確かに2つのリーグ戦はきついっす。過酷であるのは間違いない。でも、プラスに考えれば逆に飯田の本領発揮を見せられるかなと思いますね。アッシ、タッグよりもシングルの方が好きなんすよ。なので、出場権争奪リーグ戦は本戦に向けてのウォーミングアップくらいの気持ちでいってやろうと思ってます。まずは出場権を勝ち取って、しっかりと本戦に挑みますよ。この筋肉とともに!」

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