フジ深夜をザワつかす“カオス番組” 演出手掛けた入社3年目若手Dの驚愕の発想力

「ここにタイトルを入力」に出演したHARA(左)と朝日奈央【写真:(C)フジテレビ】
「ここにタイトルを入力」に出演したHARA(左)と朝日奈央【写真:(C)フジテレビ】

「君の企画は難解すぎる」と指摘され葛藤も…

 順風満帆にも見えるが、葛藤も吐露する。「1年目で企画が通らなかった頃に『君の企画は難解すぎる』と言われてしまいました」。しかし、その後も同様の企画を提案し続けることで放送までこぎ着けた。

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「実際に放送してみると『やっぱりそんなことはないよな』って。こういう企画もやっていいんだ」と手応えを感じたようだ。

“バカバカしさ”の中には緻密に計算された笑いが織り込まれているが、「右脳的な笑いと左脳的な笑い」を意識している。

「そこのバランスを究めることが新しいまだ言語化できていない笑いの感情につながる気がしているんです。『ここにタイトルを入力』の見せ方はそこのバランスを探る挑戦だったような気がしています。構成を練るときに、左脳的な構造の面白さ、説明しない面白さ、考察する面白さをどこまで引っ張って、どこから右脳的なバカバカしさ、絵で笑える、いわゆるお笑いのテンプレートのような部分を出せばいいかという点は視聴者目線の感情を意識して作りました」

 番組の反響の大きさから改めてテレビの力も実感した。「思った以上に見てもらえているんだなと。今の時代、テレビ離れが進んでいるとは言われていますが、1回ある程度のところまで広がってしまえばその先はSNSでも広がっていく。1番うれしかったのが『これを見るためにTVerダウンロードしました』という言葉でした。面白ければ広がるという意味ではテレビってまだ強いなと思いました」。

 一方で、「ただ演劇をやっていた身からすると、直で笑い声が聞こえないところの寂しさ、文字でしかエゴサでしか感じることができないというのはありますね。やっぱり笑い声が聞きたいです」とも明かす。

「経験値をいろいろ積んでいければと思っています。ここから先はテレビで学んだからこそできる“もう一歩先の崩し方”がまだあるんじゃないかなと思っています。テレビについてもっと勉強して、ちゃんとした番組を作って学んでいった先にまだ見たことのないものを作ることができたらなと思います」

 まだまだ入社3年目。今後どういった革新的な番組を届けてくれるのだろうか。まずは「ここにタイトルを入力」の最終回に注目したい。

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