有田哲平“台本なし”プロレス番組で話術の神髄 仕掛け人が「モンスター」とうなるすごさ

収録でアントニオ猪木のものまねを披露する有田哲平【写真:(C)2022「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」プロジェクト】
収録でアントニオ猪木のものまねを披露する有田哲平【写真:(C)2022「有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】」プロジェクト】

「有田さんのプレゼンを聞いて、これはマジでアメリカに行って見てみたいと思いました」

 有田の卓越したトーク力は、芸能界で折り紙付きだ。これまで数々のバラエティー番組の演出を手がけ、自主映画制作にも取り組む前川氏がうなることが何度もあるという。「プロレス漫談で言うと、YouTube番組で新日本プロレスのIWGPヘビー級ベルトの話をした回(#8~#10)があるのですが、有田さんは最初、ボードにベルトを落書きのように描いて、なんだろうとトークを見ていったら、その落書きが伏線になっていて、ちゃんと最後に伏線を回収するんです。これは見事な漫談だなと思いました。しかも、ほとんど打ち合わせもしていないですし、台本もありません。有田さんは頭の中で構成を作りながら話していると思うのですが、博識に加えて頭の回転がすごい。こんな人に会ったことがない。バラエティーもできるし、トークもすごい。司会もできるし、ボケもできるし、プロレスラーのものまねもうまい。モンスターですよ」。

 それに、有田が“プロの聞き手”と称賛を送る福田との相性はどうか。「有田と週刊プロレスと」時代のゲスト出演を機に、絶妙な相づちやトークを邪魔しないツッコミが視聴者からも絶賛され、今回の起用につながった。「福田さんは本当に聞き上手。プロレスの知識レベルはそこまで詳しくない福田さんは、なんでも知っている有田さんへのハマり具合がちょうどいい。楽しそうに話して、楽しそうに聞いている構図。それが視聴者の皆さんにも伝わって、楽しく番組を見られるのだと思っています」。まさに最強コンビだ。

 番組に台本はない。「有田と週刊プロレスと」はその場で手渡された週刊プロレスを基にトークする番組だったため、トークテーマすら事前に有田に知らせることはなかったという。YouTube番組はトークテーマだけは事前に打ち合わせているが、「『これだったらしゃべれる、話題として新鮮』というぐらいで、具体的に絶対これ、というのはないです。それが面白い。制作側としても、何をしゃべるんだろうと毎回ワクワクしながら撮っています」。即興で語られる“熱さ”が、視聴者を呼び込む面白さの根源と言えそうだ。

 視聴者層は、根っからのプロレスファンの壮年男性を獲得。若年層や女性へのリーチにも取り組んでいくといい、「有田さんにとって初めてのYouTubeなので、テレビとは違う姿を見ることができ、貴重だと思います。それに、これだけしゃべり倒している有田さんはこの番組でしか見られないですよ」。

 番組内で有田は今後の目標について「東京スポーツ新聞社制定『プロレス大賞』特別賞受賞」「WWEレッスルマニアの米国会場からの配信」「プロレスファンの数を10倍にする」をぶち上げた。制作側も同じ夢を思い描く。前川氏は「有田さんが口にした3つの目標、それは僕らにとっての目標でもあります。有田さんのプレゼンを聞いて、これはマジでアメリカに行ってレッスルマニアを自分の目で見てみたいと思いました。もちろんプロレスファンを増やすことにも貢献したいですし、その結果、もし『プロレス大賞』の特別賞に選ばれたらうれしいですね」と意気込んでいる。

 □前川コーファン(本名・前川善郎)、1974年8月5日、千葉県出身。「全力カンパニー」代表取締役社長。モットーは「面白いことなら何でもやる」。

■YouTubeチャンネル『有田哲平のプロレス噺【オマエ有田だろ!!】』
https://bit.ly/3rGoMIo

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