日本のドラマ、映画界を激変させる…Netflix豪華オリジナルコンテンツの狙い

Netflixオリジナルドラマシリーズ「全裸監督」
Netflixオリジナルドラマシリーズ「全裸監督」

米TIMES誌“ベストテレビ番組”6位に選ばれた『TERRACE HOUSE』

 オリジナルドラマシリーズとはいえ、これらは元々成功している作品がベースにあります。今後は本当の意味でのオリジナルを手がけていくようです。その中でも、異彩を放っているのは、「全裸監督」(8月8日配信)。AV界の異端児、村西とおる監督の物語です。監督は安藤サクラ主演の「百円の恋」の武正晴氏。主演の山田孝之を始め、満島真之介、玉山鉄二らが村西とおるとその仲間たちを演じます。予算規模も潤沢だったそうで、武監督が「時間と余裕がある。圧倒的な人数も多い。バックアップ態勢もしっかりしている。1度やったら、やめられない」と話していたのが印象的でした。

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 Netflixのオリジナルドラマシリーズの全世界的な特徴として、“多様性”というものがありますが、これはその最たるものになりそうです。地上波テレビではできない表現の壁を打ち破って、AV界を真正面から人間ドラマとして描いていくという大胆かつ画期的なドラマ。最近のドラマは視聴者からの“ご意見”に超敏感で、挑戦的な企画は少なくなっている傾向がありますよね。その分、「つまらなくなった」という声も聞かれます。これはドラマ界のタブーを打ち破る作品になっているのではないか、と期待しています。

「FOLLOWERS」の蜷川実花監督(左)
「FOLLOWERS」の蜷川実花監督(左)

日本にライフスタイルを世界に発信する蜷川実花監督「FOLLOWERS」

 ほかにも、「Dinner ダイナー」(公開中)や小栗旬主演の「人間失格 太宰治と3人の女たち」(9月3日)が相次いで公開される蜷川実花監督の「FOLLOWERS(フォロワーズ)」(2020年初頭配信)もあります。こちらは、東京を舞台に、売れっ子写真家・奈良りみ(中谷美紀)と、まだ“何者でもない”女優の卵・百田なつめ(池田エライザ)の2つの物語がSNSを通じて交錯していく物語。五輪で東京やそのライフスタイルが注目される中、東京らしいクールなドラマを全世界発信するという狙いなのでしょう。日本人が米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」を観て、アメリカ人女性の本音とライフスタイルに憧れたように、「FOLLOWERS」が同じような存在になれば、と思います。

 一方、当初はオリジナルドラマシリーズとして発表されながらも、映画パッケージで配信されるのが、園子温監督の「愛なき森で叫べ」(今秋配信)です。実際に起こった連続猟奇殺人事件をモチーフに、椎名桔平がその主人公を演じます。これも、地上波ドラマではできそうもないお話ですよね。園子温監督は映画「冷たい熱帯魚」(2011)でも、前代未聞の猟奇殺人事件をモチーフにしていますが、本作では違ったカラーを見せてくれているでしょう。

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