妊娠判明で試合辞退 20歳のお騒がせ女子格闘家を直撃「できれば黙って産みたかった」

「プロ格闘技はヨカタ(素人)の世界ではありません」

 これが一般の会社であれば、産休なりの制度があって、一定の期間は休養しながら出産に向けて準備をすることができる。もちろん、仕事に穴を開けるのは、出産ならば仕方がないと認められるのが普通かもしれない。

 子育てと格闘技の両立。まずは出産に向け、母となる古瀬の果たす役割はそれだった。

「格闘技、トレーニングが好きなので、このまま続けていくと、辞め時が分からなくなっちゃうと思うんですね。まだ、伸びているし、もうすぐでベルトに手がかかる。辞められない、ベルトを守り続けたいとか。もしかしたらそうなっているかもしれない。それで40歳、50歳になっちゃうのは、自分の中では違うと思います。だったら早めに(出産して)残りの期間を好きなことに使うみたいなのが理想でした」

 妊娠したのは仕方のない範囲だったのか。それともピルなどの薬を使って、妊娠しないようにするべきだったのか。

「いや、すみません。私はうれしいです。これでよかったと。皆さんにはすごく迷惑をかけちゃって申し訳ないんですけど、私単体ではとても幸せですし、これからのファイトで挽回していきます」

 それでも一つの見方として、発表された試合に穴を開けるのはいかがなものか。プロ意識が問われる話ではあるのではないだろうか。

「痛いほど(分かっています)」

 最近、「ONE」での試合を高熱を理由に辞退した平田樹に対し、「自己管理不足で恥ずかしい」と斬った“バカサバイバー”青木真也が、さらに自身のブログnoteで持論を展開した。これも一部を抜粋する。

「プロ格闘技はヨカタ(素人)の世界ではありません。親の死目に会えない。畳で死ねない仕事です。これは格闘技に限った話でもなく、気合いを入れて仕事をしたら当たり前の話です。僕の友人の広告屋も医者もテレビマンも腹を決めて仕事をしています。遊びじゃないんですよ。ヨカタの出る幕はありまへん。試合に穴をあけたことで、ここまでおじさん達が創ってきたものは何にもならないわけで、世に出したかったとは思います」(原文ママ)

 暴論と考えることもできるが、記者はこれには素直に共感することができた。

次のページへ (4/6) 妊婦は孤独 「1日にホント言葉を発する機会がないんですよ」
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